~失恋物語~








『え?何で名前…。』


相「お昼、あの子がそう呼んでたからさ。」

『お昼って…』



相「やだなぁ~。忘れちゃったの?お昼に会ったでしょ?」





『会いましたけど…相葉さんこそ覚えてるんですか?』





相「もちろん!!ってか、変なとこ見せちゃってゴメンね??俺、振られちゃったよ~。なかなかうまくいかないもんだ。」



『そんなっ。相葉さんにはまだまだこれから運命の人が現れるんだと思います!!って、私、彼女さんの事知らないのに、勝手なこと言ってますよね。』


相「ううん。そうだよね!!なんか…元気出てきた!



俺って単純??笑」





『……はい。笑』




相「でもそこが俺のいいとこかも!」


相葉ちゃんって普段からこんな感じなんだ…ドキドキ




『あ、それじゃ失礼します。』




相「ちょっと待って!ここの近くなの?遅いし送ってくよ!」




『そんな!大丈夫です。いつもの道なので。』



相「いいっていいって!同じ日に2回も会うなんてすごいし、しかも別れ場面も見られちゃうし…。
なんか俺らって気が合うのかもね♪
…………それに、なんか一人で居たくないし…。だからもうちょっと付き合って?莉子せんせっドキドキ





いいのかな?
私は嬉しいけどさ、一応アイドルとファンなのに…。


ファンって言わないほうがいいのかな?



てかここら辺に住んでるのかな?




聞きたいことは沢山あるし、聞けないことも沢山ある。





逆に話し掛けられても私は、

『ハイ』

しか言えなかった。




すると相葉ちゃんが申し訳なさそうに





相「なんか…ごめんね。俺しつこいよね?」





『え?あ、違います!!私、実は相葉さんの大ファンだったので、嬉しいのと緊張で…。』




相「そうなの?!いやー、実は嫌われてると思ってたんだよね。でも、俺のファンでいてくれてありがとう!!」




『いえ、こちらこそ相葉さんにはいつも元気をもらってます!!』





相「なんか元気出てきた!!失恋で落ち込んでる場合じゃないなっ。よし!明日からまた頑張るかっ!」



『ハイ!でも、ムリはしないでくださいね?最近なんか忙しそうだし……』





相「うん!やっぱり嵐のファンの子はサイコーだねドキドキ
莉子先生…いや、莉子ちゃんもちびっこたちに負けないでよ?」





『ふふっ、ハイ!あ、私の家ここなんです。ありがとうございました。』




相「ここかぁ。俺の方こそ付き合わせちゃってゴメンね?」



『こちらこそ。これからも頑張ってくださいね!』






私は、二度と会うことのない相葉雅紀の背中を見送った。