~絆~





小春side




タケルがいなくなって一ヵ月が過ぎた。



はじめの頃は何も手に付かなくて、生きてく意味なんてないって思ってた。

でも、人間っていうのは不思議で、今はご飯を食べて、仕事にも行ってる。

タケルがいなくなる前と同じ生活。

私ってひどい人間なのかな?





あれからニノは毎日のように連絡をくれる。

それが救いだった。



翔くんや相葉ちゃんも、私を気にしてくれた。






忙しい3人は、お葬式以来会えてないけど。



私は3人がいたから生きてこれた。







ニノside



お葬式以来小春に会えていない俺は、心配で毎日メールを送った。


時には電話もした。




うざがられてもいい。


そのことで、少しでもタケルくんのこと忘れられたら。


もちろん忘れられる人じゃないけど、一日中考えてたら、あいつがまいっちゃう。

それは、翔さんや相葉さんも同じで、二人もよくメールを送ってたみたいだった。







三ヶ月がすぎた頃、俺は気晴らしにと、コンサートに誘った。



二人きりよりも、嵐ファンのあいつにとって気やすいかと思って。





小春side




ニノからコンサートに誘われた。


ニノの気遣いが嬉しかった。

あんなに忙しい人なのに、こんなに私のことを心配してくれる。




私、ニノのこと…。


でも……。





コンサートはとても盛り上がって、私は久しぶりに心の底から笑えた気がした。

コンサート終了後、楽屋へお礼を言いに行った。


―コンコン




「はい。」


『あの…、小春といいます。」

相「小春ちゃん!!久しぶりだね!コンサートどうだった?」



『すごいかっこよかったです!!』

久しぶりに会う相葉ちゃんは、いつもとかわらない笑顔で、自然と笑顔になれた。



翔「小春ちゃん久しぶり!ちゃんとご飯、食べてるか?」


『うん。もう大丈夫。本当にありがとう。』


私は、楽屋の奥に目をやった。


ニノがゲームをしてた。



目が合うと、二ヤっと笑い、


二「約束果たしましたよ?ほら、潤くんとリーダー!」


それはずっと前の約束。



そっけない態度。


でもニノの精一杯の優しさ。



『ニノ、ありがとう。』


翔「あ、相葉ちゃん、さっきスタッフが呼んでたよ!行ったほうが良いかも。」


相「え?いいよーあとで。せっかく小春ちゃんに会えたのに。」

翔「ほら、行くよ。」

相「ちょっ、翔ちゃ~ん。小春ちゃん、絶対待っててよ?」



潤「リーダー、シャワー行こうぜ。」

大「え?なんだよ急に。一人で行けよ~。オイラさっき行ったし。」


潤「いいから行くぞ!」




楽屋にはニノと私しかいなかった。



『ニノ、ほんとにありがとう。ニノがいたから立ち直れたよ。

でも… もう大丈夫だから………。今までありがとう。』



二「は?小春何言ってんの?」


『もうニノの力を借りないで、頑張ってみる。

ニノに甘えてたらだめだよね。』


二「それって、もう連絡するなってこと?迷惑ってことか。」



『違う!そうじゃなくて。』


二「いや、俺が勝手にしてたことだし。なんか、悪かったな。もうしないから。」

『ニノ!!』




二「わりぃ、もう帰ってくれない?」




『……………ごめん。』





私はその場から立ち去った。