~絆~





ニノside






あの飲み会の日から小春のことを思い出さない日はなかった。





やばいな、俺。


人妻に(まぁ、まだなってないけど)恋しちゃうなんて。




翔さんはあれからタケルくんとよく連絡を取ってるみたいだけど、何も言わない。



俺に気を遣ってるんだろうな。





俺は、やり場のない気持ちに苛立ちを感じていた。




大「ね~ニノ。今日これで終わりって聞いた?オイラ早速チャーターしちゃったドキドキ




二「え?そうなの?俺聞いてないですけど。」



潤「なんかロケが延期になったらしいよ。」




二「でもこれといってすることないしなぁ。」




大「じゃ釣りいっちゃう?」


二「介抱してくれるなら行きますけど?」


そんな中、


相「ねぇねぇ翔ちゃん!!飲み行こー!」





翔「わりぃ!今日予定あるんだ。」





相「そうなの?誰と誰と?」



翔「あ~、タケルと小春ちゃん。」



相「え?小春ちゃん?俺も行きたい!!」




翔「まじで?まぁ、小春ちゃんも喜ぶと思うけど…」



相「やったー!ね!ニノ!ニノも行こー!」





俺はこの時を待ってたのかも。



二「まー、ヒマだし行きますか。」




翔ちゃんの顔は見ない振りをして相葉さんの誘いにのったんだ。



この気持ち確かめたくて。






相変わらず小春は嵐のことが大好きで、幸せそうで。


やつぱり俺、好きなんだなぁ。
ってわかった瞬間にもう失恋ですか。


そんなことを考えてたら小春が話し掛けてきて。


一言、二言なのに、それが嬉しくてうまく答えられなかった。


でもそれじゃ勘のいいタケルくんと翔さんに気付かれると思って、俺は相葉さんと一緒に盛り上げ役に精を出した。


小春が喜んでくれるだけで良いんだ。

こんな思いは久しぶり。



タケルくんが仕事に戻って、小春を送って行くことになった。


二人きりになるとうまく話せない。


「『あのっ!』」


小春も同じ思いだったのかな。




ニノ、小春、そう呼び合うことで距離が縮まった気がした。


もちろん友達としての。






次の日、朝早くから5人の仕事。

でも俺はなんとなくご機嫌だった。

5人の仕事はやっぱり楽しいし、気が楽だ。




♪♪♪♪♪♪


電話が鳴った。



翔「もしもしタケル?」




タケルくんからか…。


昨日のこと言われないよな…。笑



翔「もしもし?小春ちゃん?どうしたの?」





翔さんの声色が変わった。


俺や相葉さんだけじゃなく、潤くんとリーダーも翔さんの異変に気が付いた。




潤くんがうまくやってくれて、俺ら3人は警察署へ向かった。



そこには小春が一人で小さくなってた。



思わず抱き締めた。






俺は卑怯だ。