「リトル・チュン」はフルーツ・チャンの香港返還三部作の最後にあたる
作品である。


最初の作品である「メイド・イン・ホンコン」は大ヒットを記録し、
インディーズ不毛の地といわれた香港での映画興行の歴史を転換させた
が、第二作の「花火降る夏」では政治性のつよい題材で、じょじょに
マスへの目線を失っていった。


しかし、そもそもその二作に登場するサム・リーという俳優は、いままで
の香港のスターには下町に生活する人間のリアルさを伴った存在
だと思う。


この「リトル・チュン」はその猥雑なイメージはもっと強くなって
いる。


ここでは、いかに外面でこわもてをつくろっている悪党やガキ大将
でも、内面にはいかんともしがたい孤独や弱さを持っている。