「不実の愛、かくも燃え」はタイトルの割にはそんなに情念に燃えた
男女の物語というわけでもなく、もっと静謐な贖罪の物語だ。
この映画を作ったのはイングマール・ベルイマンの映画の常連となる
女優で、監督の個人的なパートナーとも言われてた女優である。
スウェーデンの美しい自然美と、小さくも安らかな生活が事細かに
描かれており、それが作品の一服の清涼剤になっている。
作品は若い頃に犯した恋の罪を年老いてから回顧する内容で、それが
現在の大きな問題の端緒となっていく。
悲劇はさほど大きな山場を迎えずに淡々と過ぎていくが、それが人生
全体を飲み込むような、壮大な自然美の中でよいコントラストをなして
いる。
映画は別に大きなドラマの中になければならないわけではない。