先週ぐらいからずいぶん寒くなってきました。わたくしは、普段着のズボンを春秋物から冬物へ上半身の下着も夏物から冬物へ替えました。パジャマは少し前から春秋ものにしています。冬用のパジャマと布団はもう少し先です。

 

 さきの11月10日(日)の朝日新聞の歌壇・俳壇から。

                                          

 まず、俳句。

 

 「球審を頼まれ入る刈田かな」。この句の作者は、常連の浜松市の久野茂樹さん。

 

 「二次会はカラオケよりも秋の海」。この句の作者は、伊丹市の女性名の方。伊丹に海はないのですが。

 

 「ビルの玻璃(はり)磨く宙人(そらびと)鰯雲」。この場合「玻璃」はガラス窓のことでしょう。わたくし、高いビルの窓をゴンドラに吊るされて磨く人たちになんだか憧れます。

 

 「さびしさを拠(よ)り所にし燗(かん)の酒」。この句の作者は、三郷市の男性名の方。

 

 

 次に、短歌。

 

 「お土産に蛇の抜け殻折りたたみ大喜びで待ち帰る孫」。「施設での二年の日々がそこにある洗い薄れたパジャマの名前」。「おもろくて涙もろくて情けにもろい人間西田敏行逝きぬ」。

 

 「そこここに夫の遺品を目にするもソファーの凹みが一番愛(いと)し」。「頂きし新藁はこぶ 田んぼから畑へ藁の香り抱きて」。この歌の作者は、山梨県の中央市の男性名の方。「空いている電車に一人立つ女性コントラバスを優しく抱いて」。

 

 「人間の遺体食うとぞ戦争の瓦礫の中のガザの犬たち」。この歌の作者は、常連の観音寺市の篠原俊則さん。「身一つで終(つい)の住かに移る今無駄に囲まれた幸福な過去」。

 

 「額なで頬を両手で包み込むこの世の愛をこうして仕舞う」。この歌の『評』に、「「火葬場にて」と詞書に。哀しくも懇ろな愛の仕舞い方」とあります。

 この場合の「詞書」の紹介にはあまり抵抗を覚えません。短いことばだからでしょうか。また、なくても想像できる範囲だからでしょうか。選者はなければ理解しがたい場合は、このように「詞書」を明示すべきだと思います。

 

 「母とケンカした夜ひとりたまご焼き焼きつつ謝る言葉を探す」。この歌の作者は、常連の奈良市の親子のお姉さんの山添葵さん。「歯が抜けたところを舌でふれてみるとろんとろんのブラックホール」。この歌の作者は、常連のその弟さんの山添聡介くん。「発掘で頑張る利き手はねる指労災却下日雇いの私」。この歌の作者は、千葉県の八街市(やちまたし)の女性名の方。

 

 「喜びの無罪判決聞けばふと真犯人の居た恐ろしさ」。「霧の中霧の流れるいろは坂路上に牡鹿群れて動かず」。この歌の作者は、長岡市の男性名の方。

 

 今回は、上のようでした。