- 桜沢 エリカ
- 贅沢なお産
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- 贅沢なお産
昨夜のドラマ、結局全部見てしまいました。
ドラマの方は、20代・30代・40代の妊婦さんがどうやって自分のお産を選んでいくかというお話でした。
実は、この本、読んだことがありません。でも、昨日のドラマを見て読んでみたいと思いました。
贅沢なお産ってなんでしょう??
豪華な個室、料理はおいしいフルコース?
昨日のドラマでも、はたして・・・ということで描かれてはいましたが…
私自身は長女を病院、長男を助産院で産んでいます。
長女のときは、たいして調べもせず『義妹も産んでいるし、医療設備も整っているしいっか』くらいで選びました。…でも、促進剤を使い、切開したにもかかわらず裂傷を起こし、鉄剤を処方されながら、母乳指導は30分ほどのビデオだけ。『調乳指導』と称するメーカーの講習のほうが時間としては長かった…。
3時間ごとの授乳。母乳がほとんどでなくて、加えて3時間以上寝続ける子だったため、時間によっては起こして無理やり飲まさなくてはならず、とてもとても気の重いものでした。
ふたりめそろそろ欲しいね、と言う話を夫婦でするようになった頃、私にとっては出産=恐怖でした。
また、あの恐怖を体験するのか、と。
長女をどこに預けるか、万が一ぐずったときには母子入院できるといい…そういった場所を探した際、主人の実家近くの助産院が候補に挙がりました。でも、ネックが、主人自身。同級生のお宅なので嫌がるかと思ったら、あんがいあっさりと『産むのはおまえ自身。納得の行くところがいいだろう』ということで、出来た暁にはそこで産もう!ときめていました。
長男の妊娠が発覚すると、助産院に連絡し、腹部エコーになるまでは近くの検診のみの産婦人科病院に通うことにして(結果的に、市の補助を受けて子宮ガン検診を受けられて助かりました)、腹部エコーになった5ヶ月過ぎに転院。
助産院で最初に聞かれたことは『どうやって産みたい?』でした。
私は『薬や医療器具に頼らず"自分で"産みたい』というと、『じゃぁ、出来る限りの努力をして行こうね。私たちもできる限りのフォローをしますから』といわれました。
信頼できる助産師さんたちと検診のつど、親しくなっていくうちに、妊娠ってこんなに楽しいものなんだ、と思えるようになりました。あれほど怖かった出産に関しても、『私の体は産み方を知っているはず、子供はでて来る方法を知っているはず。だから、余計に体重を増やしたりしないようにして、きちんと体の言葉に気づける体にしよう』と思えるようになりました。
実際にお産が近くなってきた頃、助産師さんに『長女をお産に立ち会わせる』ことを勧められました。フォローはするから、一番簡単な命の勉強になるから、と。
実際に、主人と長女と実母が立会い、声だけで誰だかわかる助産師さんに囲まれ、長男を迎えることが出来た瞬間は、とてもとても幸せな時間でした。
経産婦にしては時間のかかるお産になったように思いますが、でも、私にとっての『贅沢なお産』は、促進剤の痛みでパニックになった長女のお産ではなく、ひたすら自分の体と向き合った長男のお産であったと思います。豪華な病室ではなく、3畳ほどの和室でのお産でしたし、豪華なフルコースではなく、母乳に良いとされる玄米ご飯中心の和食でしたが、それでも、すごく豊かな時間をすごせたと思っています。
豪華な設備だけが贅沢なお産じゃない。
そんなことを考えるきっかけになってくれればいいと思います。