日曜の朝、携帯の着信音で目が覚めました。
その着信音は母からの電話かメール。
慌てて携帯を握ったものの、着信だったので間に合わず、寝ぼけたまま自宅の電話から母へTEL。

どこか様子がおかしい母の声に眠気は覚めたものの、
前の晩に薬を飲んで寝たため私の声はガラガラ。
「風邪?熱あるの?気持ち悪い?いいよ無理しなくて。また後にするね」
母の矢継ぎ早な質問を耳で聞きつつ、その声に心配は募る。
「何かあったんでしょ?何?話しづらいこと?」
私の声も少し震えた。少し前に祖父(母方)が入院したことをメールで知らされていたので
ちょっと覚悟もした。もしかしたら・・・と。
私の問いに「具合が悪いならいいよ。また後にするね」と話す母。
「大丈夫だから」と私が言った途端に電話口の母が泣き出した。

幸いにも祖父の不幸な話ではなくホッとしたものの
母の話によると、軽い脳梗塞で近所の病院に入院していた祖父は
話も出来るし、一人で歩けるらしく、本当に軽い症状だったとのこと。
でも、その病院は寝たきりの患者さんや、身内が看護やお見舞いに来ない患者さんが多い上に、
看護士さんやケアマネージャーさんの数が足らない模様。
一人で歩ける祖父が、万が一トイレに立って怪我でもしたら病院としては一大事なのでしょう。
嫌がる祖父をベッドに縛り、大人用のオムツや管をつけたそうです。
その上、認知症扱いまでされたそうです。
確かに80歳もとっくに過ぎてますから同じ話を何度もするけどそんなの年相応の範囲内。
母は、そんな扱いを受け、家に帰りたいと涙した祖父を無理矢理退院させてきたそうです。

しかし、祖父は一人暮らし。
母は「本当によかったのかな?でもあんな扱いされて、あのままじゃ本当にかわいそうで・・・」と。
私は何も言葉が出ませんでした。
これが高齢化社会の現実なのか?とも思いました。
一人暮らしをしている祖父を病院から家に連れ戻したことが正しいことだったのか?
それはわかりません。
でももし私が母の立場だったら、きっと私も母と同じことをしていたと思います。

この電話の後から私は今も考えています。
本当は私が実家に帰って、母のサポートをするべきではないのだろうか?と。
これまで自由にやらせてもらっている私が出来ることといえばそれぐらいしかないような気がして。
私は父も母もまだ若いと思っていますが、それでも50代半ばということを思うと、
真剣に考えなくてはいけないのではないかと・・・。