7月22日。


母ちゃんの誕生日の二日後ユイ、君は天国へ行ってしまったね。


本当に本当に目まぐるしい2ヶ月だったね。苦しい苦しい2ヶ月だったね。


5月の終わりに太ももの裏が腫れているのを発見して


病院で次の日検査したら「癌」だって言われて。


あの時母ちゃん待合室で血液検査の結果を待つ間


頭が真っ白だったんだよ。


うそだ。うそに決まってる。そんなことがあるわけ無いじゃないかって。


ユイ、君はそのまま入院して次の日手術をしたね。


手術して抗がん剤の治療をしなければ持って3ヶ月だって先生言ってたのにね。


手術もしたし、抗がん剤も毎週打ちに行ったのにユイ、君は余命宣告の3ヶ月を待たずに


天国へ行ってしまったね。


癌の中でもとりわけ悪性の強い「悪性組織きゅう腫」になるなんて。


どうして君が。


今でも母ちゃん納得いきません。


7月7日の七夕に母ちゃん短冊にお願い事をしたんだよ。


「母ちゃんはもっとユイと一緒に居たいな。早く退院しておいで。」って。


7月20日の母ちゃんの誕生日にも神様にお願いしたんだよ。


「誕生日のプレゼントなんかいりません。ユイとまた広場でかけっこをしたり


お家でかくれんぼがしたいんです」って。


多くを望んだわけじゃないのに、ただ純粋にそう願っただけなんだ。


それでもほんの少しだけ神様が願い事を聞いてくれたね。


七夕過ぎて1週間だけだったけど、見違えるほど元気だったね。


支えてあげなきゃ登れなかった階段も得意げに登る君の後ろ姿、母ちゃん今でも


鮮明に覚えているよ。


缶詰とか柔らかいものしか受け付けなかったのに


その1週間だけは少しドライフードも食べたね。


苦しそうな呼吸じゃなくて前みたいにキラキラの笑顔で笑ってたね。


もう大丈夫だ。抗がん剤が効いてきて神様が母ちゃんともう少し一緒にいても


良いよってそう言ってくれたと思ったよ。


今にして思えば最後のチャンスだったんだね。


本当にゴメンね。


それなのに母ちゃん済ませなきゃいけない用事で家を空けてしまったね。


まさかそんなに時間が残されていないなんて分からなかったから。


癌宣告されてから君は仕事で家にいないと玄関で私の帰りを待つようになったね。


全部分かっていたんだね。


母ちゃんと過ごせる時間があとわずかだって。


最後の入院嫌がってたもんね。


頑なに車に乗らなかったもんね。


このまま入院したらもう帰って来れないって


分かってしまうくらい、限界だったんだね。


それから母ちゃん毎日お見舞いに行ったね。


ユイの大好きな人を集めてお見舞いに行ったの覚えてる?


ドックランの宮本さん。


ニコちゃんママ。


ハニーの所はお父さん


仕事午前中ではや引きして家族総出でお見舞いに来てくれたね。


色んな人がユイを思っていたよ。


愛していたよ。


母ちゃんそれが伝えたかったよ。


ユイにちゃんと伝わったかな?



その2日後の早朝天国へ旅立ったね。


22日は日曜日だったから前の日「明日は午前中に来るよ。母ちゃん夜まで仕事だから


寝坊したらゴメンね」って・・それが最後だったね。


母ちゃんさ、最後なんて言って病院を後にしたかな?


ちゃんと「愛してるよ」って言ったかな?


また明日があるって思ってたから言ってなかったんじゃないかな?って、思い出そうとしても


あまり良く覚えていないんだ。


霊園の火葬場まで大好きな宮本さんが連れて行ってくれたんだよ。


亡くなる前増血剤を使ってたから死後硬直せず、抱っこしたら柔らかくて


まるで生きてるみたいだったよ。体は冷たいけど柔らかかったんだ。


火葬場で最後今まで流した事ないくらい母ちゃん涙を流して見送ったね。


お花ヒマワリを選んだよ。太陽みたいな子だったからヒマワリが似合うと思って


母ちゃんヒマワリを選んだよ。


今思い出しても釜に送られる瞬間は耐えられないよ。


君の柔らかい毛も少し歯並びの悪い口も、ガサガサの肉球も、可愛い顔も


二度と見られないんだと思ってゾッとしたよ。


30年間生きてきて一番苦しい瞬間だったよ。


でも、母ちゃん前を向くよ。


ユイが一番分かってたよね。


母ちゃんがやりたかったこと。


念願のカウンセラーの仕事に就けたし、一生懸命、まっとうに生きたらまた君に会えるよね。


天国で待ってて。まだしばらく掛かるけど、いつも君を待たせてばかりだったけど


また待たせてしまうけど待ってて。天国で見てて。


まっとうに生きて胸張ってそっちにいつか絶対に行くから。


もし生まれ変わりがあるのならそれでもいいよ。


でもその時は母ちゃんの前に現れてね。



最後に。


母ちゃんに生きる希望を与えてくれてありがとう。


君がいたから母ちゃん生きてこれたよ。


優しくなれたよ。


いろんな人と出会えたよ。


笑ったよ。


母ちゃんにとって毎日がユイだったよ。


母ちゃん結婚の予定はないけど


もしも結婚したら今度は母ちゃんの本当の子供として産まれておいで。


愛しているよ。