横になってしばらくしたら主治医になる
院長先生が来た。

偉い先生なのかな。
看護師さんみたいな付き人が何人かついてきた。

調子はどうか聞かれた。

でも私は満足に話せない。

横たわったまま
「……い、い、よ…」
聞こえたかもわからない。

はっきりいって手術後からこの時くらいまでは
口の動きで読むことも出来ないし
(口はほぼ動かない)
ろれつも回らないし声(というか空気音)も小さいので
聞き直されたり伝わらないこともあった。


北海道でも簡単な単語を言わされたけど
言えない単語の方が多かった。

いすとか鉛筆とか簡単なヤツ

「ヘリコプター」なんかもう言えない(笑)



でもお構い無しにしゃべりかけてくる先生。

「頭痛はある?右手は動く?
脚片方ずつあげてみて」

「……。」
普通の人の会話のスピードについていけない。

ママがいろいろ説明してくれて
「まだ話せなくて…」
とかの院長先生にされた質問はほぼママが答えて



くれようとした。


だけど院長先生はしゃべれない自分に質問し続けた。


まるで自分でしゃべりなさいと言っているようだった。

この時のわたしは簡単な単語しか言えないし
会話なんて難しくてほぼ出来ない。
でもなんとか話した。
単語をつなげただけで会話にはならない。

会話どころか一問一答くらいしかできなかった。

すごい労力を使って院長先生の先生の質問に答えた。


「うん。よしわかった」
と言って部屋をでていった。


ぞろぞろとそれに続いてでていった。