りんごちゃんから前にお祝いで頂いたお話です。
ブログがなくなるので、お話をコピーさせて欲しいとお願いしたら、快くオッケーしてもらい、公開しても良いと言ってくれたので、公開させてもらいました。
りんごちゃん、本当にありがとう~♡
灯
ひとつ。
灯を付けた。
ふたつ。
──この頃お前は、もう一人で歩いてたのか?
どんな言葉を、どれ位話していた?
どんなに可愛かっただろう。
みっつ。
灯がどんどん増えていく。
──もう、お姉ちゃんになっていたのか?
もしかして、絵の才能はこの頃から有ったのかもしれないな。
よっつ。
いつつ。
増え続ける数に、明るさが増す。
──出逢っている。
俺らはこの年に。
むっつ。
ななつ。
やっつ。
ここのつ。
とお。
想像だけの、お前の幼かった時代。
アルバムで見せてもらった事のある写真と、
娘の成長と重ねてみながら………
一緒の時間を過ごしていない過去が、
今に繋がる為にゆっくりと時を進めていたはずだ。
───俺と出逢う為の過去───
楽しかったか?
笑っていたか?
一つ。
また、一つ。
灯の数を噛み締め、懐かしむ様に増やしていく。
炎の奥で、お前の笑顔がユラユラと揺れる。
年を重ねる毎に増えていく灯の数……
年を重ねる毎に美しくなる愛する人。
年を重ねる毎に深まる想い。
その《時》がだんだん近付いてくる。
そして、やっと。
二人で過ごした年に入った。
一つ。
また、一つ。
灯の数が増える毎に懐かしいあの頃。
今度は想像では無く、思い出として。
散々悩んで、お前の笑顔を思い浮かべながら選んだプレゼント。
真っ赤になった俺の忠実な音階と、
笑顔で調子っ外れなメロディーが心地良く奏でるハーモニー。
家族が増え、楽しく重なるその声に《幸せ》しか感じない。
そして、ようやく……
去年の数を超えて、今日。
新しい灯が増えた。
「シン君、さっさと点けなきゃ一本目、蝋が垂れて来ちゃったじゃん!!」
──あぁ、しみじみ思い出に浸っていたのに。
俺を急かすお前の声で余韻も何もあったもんじゃない……
「あぁ、悪い。
急いで唄うとしよう。」
「お母様、神聖な時間まで慌てないでよ。」
俺を庇う娘の顔に笑顔を向けて、ゆっくり首を振る。
──いいんだ……
今日の主役のワガママくらい、広い心で受け止めて叶えてやりたい。
さぁ。
「「「「Happy birthday to you………♪♪♪♪」」」」
今年も又、無事に今日の日を迎えられた。
毎年変わらないメロディー二つと、
毎年成長していくメロディー二つ。
目の前には、溢れる三人の笑顔。
「チェギョン、お誕生日おめでとう!!」
「シン君、ありがとう……///」
「「お母様、お誕生日おめでとう!!」」
「あなたたちも、ありがとう。」
今日はチェギョンがこの世に生を受けた日。
チェギョンを授けてくれた神に。
チェギョンを生んでくれた母上に。
感謝せずにはいられない。
出逢う為に重ねた今日の日を……
出逢った点は奇跡。
重なる線は軌跡。
これからも、ずっとこのまま伸ばして行ける様
に、俺の努力を惜しむつもりも無い。
変わらぬ愛は保証出来るが、
変わらぬ生活は努力も必要だと、
チェギョンが教えてくれたから。
健やかに、
和やかに、
二人、共白髪となる未来まで。
尽きるまで、
尽きても尚、
二人、再び巡り逢うまで。
───永遠に、変わらぬ愛を───
《完》
─*─*─
amieちゃん、お誕生日おめでとう(≧∇≦*)
amieちゃんにとって素晴らしい一年になります様に!!!