ことの始まりは、何故か我が家の階段を上ったところにあった大きなフランス人形?だ。
階段を上ろうとした時にその人形の存在に気づいた?
そして次の瞬間、人形が不気味な音を立てながら目を開けて立ち上がろうとした。
私は恐怖からただひたすら叫んだ。助けてもらえるように。
すると母が出てきて、どうしたの?!と叫び人形に気がついた。
そして母はその人形が目覚め切る前に鷲掴みにした。
何故か私の部屋にもう一体ピエロのような人形もあって、それら二つをベランダに置いた。
あの時は雨が降っていたからもちろん雨ざらしだ。
でもこれで悪いことは終わらなかった。
それからだった。階段下の小さな窓から外を見ると全身を黒い布で包んだ老婆のような人間?が傘もささずにこちらを見ていた。
恐怖によりまた動けなくなった私はその者の言葉を聞いた。
返してくれ。返さなければお前の大事な人を人質にして一人一人殺していく
と。
もちろんすぐに母に変な人が外にいることを伝えたが取り合ってもらえず気のせいということになった。
しかし気のせいなんかではなく、いつその窓から外を見てもそいつはいた。
どうしよう。どうしよう。
そうやって悩むうちに変な物音が外から聞こえ出した。
ガサガサと何か音を立てながらそいつは私の玄関前を右往左往していた。
玄関には透明じゃないものの窓があり、人が通るくらいは見えるから分かった。
ただひたすらこちらには何も干渉してこないで玄関前を、行ったり来たり。
何をしているのかすらわからない。
母に相談しても全然気にしていないようだった。
怖くてふと玄関を見た時、さっきまでは厳重に鍵をかけていたにも関わらず、何故玄関の鍵が開いているではないか。
まずい、今すぐ閉めなければ。
玄関に駆け寄って鍵をかけようと手を伸ばした瞬間
ドアが開いた。
そしてその隙間から黒い布を纏った腕が伸びてきて
確かに私の手を掴んだ。
女の人のような柔らかい感触だった。
そして嫌だ!とかろうじて出た言葉と
咄嗟に手を引っ込めた。
その瞬間目が覚めた。
もし目覚めなかったらどうなっていたのだろう。
人質として捕まるのか、その場で殺されるのか。
夢の世界から逃げれたから真相は分からない。
分かりたくもない。
この夢を二度と見ないことを願っている。