朧月夜


目に見える
この世界は
どこか、曇っている
でも
照らす月は
どんな時代(よ)も
美しく見せる


少し風が冷たくなる秋夜
2人は出会う
まるで引き寄せられる様に
目と目が合ったその瞬間(とき)を
月は見ていた


今宵も眩しくて目を閉じる
朧月夜はそっと
人の憂い、哀しみを
包み込んでくれるから
流した泪も弱音も 
忘れさせてくれる