■募集~あなたが主役!~■
あなたを、この文章に登場させる企画をやってみたいと思います。あなたのお名前やリクエストを、ここの文章に織り込んでみたいと思います。少ない情報から、わたしの妄想・想像をフルにふくらませるので、あなたの希望や事実からは相当乖離してしまう可能性が高いです。しかし、『あなた』という素材が、どのような料理になって出てくるのか・・・それも一興かと思います。いかがでしょうか?
・登場人物名(文章に登場させる名前)
・HN(こちらは文章には出しません)
・BlogやサイトのURL(ご自分でお持ちでしたら、ぜひ。想像の一助にしたいです)
・文章に織り込んでもらいたいエピソード・場面など、その他。
以上をご記入の上(全て記入しなくてもだいじょうぶ) ametshortstorys@hotmail.co.jp にご送信ください。コメント欄での応募も、可。
レイコの場合~約束~
カラダの上を通り過ぎた男は、何人に達するだろうか・・・
奴等は、ワタシとの記憶をどのように処理し、現在の生活を営んでいるのだろうか・・・
ひとかけらの温もりも無いコンクリートの壁の中で、法の向こう側の住人として過ごした時間は、
ワタシの人生の何パーセントを占有するのだろうか・・・
その割合が増加する時、ワタシは・・・
異常と正常の境界が見えなくなったのは、あの、妖しい衣装と空間の所為。
私は、ワタシ。
寝汗が止まらない。
闇の中で、幾度も、映像の無い悪夢に襲われる。
カタチは見えないが、それは確かに、
情けない顔をした男たち・・・醜塊が異様な臭いを発してレイコを取り囲む『感覚』だった。
異様な感覚と戦うために、闇の中で冷静になる。
冷静に、確かめながら、自分を客観的に分析する。
『今は、もう、あの異常な空間に身を置かなくてもいいのだ』
『忌わしい醜塊も、今はワタシの自由・・・この指で・・・』
キャンドルの向こう側で、もう一人のレイコが、人差し指で髪を巻くいつもの仕草で揺れている。
数ヶ月経つにもかかわらず『あの臭い』が抜けていないような気がして何度も洗った長い髪は、
十分に水分を含んで、重く、艶やかに光っている。
多額の『借り』を返すために選んだ道だった。
そこには、金額で測れる至高の愛があった。
これほどまでに、男たちは満ち足りるのか・・・
それは、至高と呼ぶに相応しい表情だった。
『愛』とはこういうものだという錯覚に支配されつつあった。
レイコは生かされてきた。死んでいたが、生きていた。
『あの経験をネタにして、今の生活を築くことができるのか・・・』
皮肉であった。
文字で人に満足を与える仕事は、明らかに、誇りを持てる。
今の職業は?と問われると、いつも、少し、躊躇しながらこたえるが、
その『躊躇』は、確実に以前のそれとは違うものだ。
どんな職業でも誇りを持ってナンバーワンを目指すレイコだったが、
あの職に再び戻れるかと問われると、答えに詰まる。
何より、書いて、伝えることが、ダイスキなのだ。
『天職』とはこのことだと、自信を持てる。
キーボードを打つ指が、止まらない。
指先のスピードを超え、コトバが溢れる。
指先の向こうにある満足は、あれほどまでの至高の表情ではないかもしれない。
時には、なんら関心をもたれず途中で投げ出されているかもしれない。
それにもかかわらず、湧き出して止まらないこの高揚感は何物だろう・・・
薄給だが、レイコは今の仕事に満足していた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
東京では、今年初めて、白いものが舞った。
白い息を吐きながら郵便受けの中を覗くと、
チラシの中に混ざって、踊るような手書きの宛名が目にはいった。
差出人は、懐かしい名前だった。
『レイコより』
無骨な茶色い封筒の中から取り出したものは、手垢にまみれていない真新しい一万円札だった。
同封されていた小さな紙片に書き込まれている文字は、笑っていた。
全てを払拭する、衝かれる程の意思で、笑っている。
異常に強がりな彼女がどん底の生活に陥った時、僕は『危機』を察知した。
そして、僅かな、最小限の『支援』を彼女に送った。
見守ることはするけど、自分の力で這い上がれ、というのが僕の考えであった。
本当の危機に面した時にだけ、僕は手を差し出すよ、というのが考えであった。
そして、彼女は『本当の危機』に直面した。
その時に差し伸べた手を使って、
彼女は、自分の力で這い上がってきた。
『ほとんど全ての借りを返してから、最後の最後に俺への借りを返せばいいから。
「まともな」職に就いたとき、その初任給で返してよ。それが、レイコの新しいスタートだ』
そんな言葉をいつか、言ったような気がする。
『今年のスケジュール帳も、終りか・・・』
僕は、一万円札と紙片をそのまま封筒に戻し、
使わなくなるスケジュール帳に挟み、
引き出しの奥に、そっと置いた。
ユキの場合
理由も無く、鼻の奥が『ツン』となり、そして涙が、私にとっては異常なほど流れ落ちた。
目の前の小さな丸いテーブルの上には、くしゃっと潰された赤いキャビンが無造作にひとつ、乗っている。
灰皿には、役割を終えた抜け殻たちが、いくつも横たわっている。
悲しさでも、悔しさでもない、切なさでもない、過去に知らなかった『感情』が、今、できた。
この『感情』に名前をつけたかったのだけれど、私の語彙と経験では無理であったし、
何よりも、今は、複雑なことを一切考えたくなかった。
タバコは嫌いだった。
満員電車の中で強制的に嗅がされたあのニオイに耐え切れず、何度途中下車しただろう。
それでも、彼を受け入れた。
いつの間にか、彼の中に取り込まれていた。
ふたりの時間。
最後の一本を途中でもみ消すと、それが、これから始まる長い夜の合図だった。
最初のキスを拒否すると、切なそうに『俺も客のひとりか?』と耳元でつぶやく彼に、
私は、二度目のキスで応えるしか方法が無かった。
ひとりの部屋は、空気が止まっている。
四角いカタチをした、空気の塊の底に、私は沈んでいる。
吸殻を一本、指に挟んでみた。
火をつけたかった。
私の部屋には無かった。
探しながら、また、涙が流れてきた。
エリナの場合
『火星と月が近い夜は、何かが起こりそうな気がするの』
遠くの闇と光を見つめ、自信に満ちた微笑でエリナが呟く。
数時間前に知り合ったばかりの僕たちは、男女が交わすお決まりの陳腐な会話を一巡させ、
ふたりの所在無げな指先は、携帯のストラップを求めてさまよっている。
無音の車中で、エリナの匂いだけが、囁くように流れている。
沈黙の中でエリナが発するコトバは、なぜか、自信に満ちたものに聞こえる。
ついさっきまで、居酒屋の喧騒と煌びやかな友人たちの中に埋もれていた彼女は、
僕とふたりっきりになると、こちらが戸惑うほどの力強い視線で、何かを見ていた。
その「何か」は、遠くにあるもののようにも、すぐ、そこにあるもののようにも思える。
多くを語らない。
たまに彼女が発するコトバは、僕の集中力を、その「意味」に向かわせる。
『よく晴れた雨上がりの朝。濡れたアスファルトは、世の中の全てを逆光のシルエットにしてしまうでしょ?
美しさも、醜さも、全て平等に塗りつぶしてくれるから、好きなの』
「難しい例えだね・・・」
精一杯の応え方をする僕を、彼女が遮る。
求めてきたのは、彼女の方からだった。
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夜は、車の中で明かした。
夜中に突然降りだした雨は、すっかりあがり、路面はすでに乾きはじめていた。
僕たちは、車を降り、朝の空気を吸い込む。
『あ、みっけ!』
エリナはいつのまにか、鍵のかかっていない、濡れた自転車にまたがっている。
『じゃあね!』
絡み合う、自転車の轍は、あの街へと続いていった。
●
ちょっと冷たい空気。
ちょっと火照ったカラダ。
そのギャップのスキマに、さらさらーっとすべりこむのが好きなの。
さらさらーを、全身で受け止めるの。
さらさらーは、やがて、しっとりとしてくるのだけど、
それはそれで、ひとつになった感じがしていいものね。
いろんなものに包まれる、あの空間、わたしは好きよ。
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■
30インチの画面の中で少女が泣いている。
美しく、澄んだ瞳の少女は明らかに何かを訴えているが、あまりにも遠すぎるその距離は、輝きも、絶望も、二次元の小さな光の集合体としての薄っぺらい画像に置き換えて、僕たちの記憶の海に沈めてしまうだろう。
『ねえ、ワタシのこと、好き?』
画面を見つめる僕の背中から、突然、オンナの声がする。
「ああ」
反射的に、儀式のように、無意識に、短く声が出た。
『ねえ・・・』
僕の首に腕を絡めるオンナの目を、僕は、見ない。
『ねえ・・・あっ・・・』
オンナの声を遮って、押し倒す。
澄んでいない、その目を凝視しながら、愛のコトバをつぶやく。
「ああ、世界の貧困が僕に何かを訴えかけていても、
それに耳を傾けることを中断して、押し倒して、ひとつになりたいくらい、オマエが好きだ」
それでも、オンナは、濡れていた。
■
ねえ、愛と恋の違いって、何だと思う?
ねえ、なんで、男の人って、記念日とかすぐ忘れちゃうかなあ。
ねえ、あのときのこと、覚えてる?
ねえ、・・・
抱きしめて、足を絡めて頭を撫でる。
それが、僕の答え。
自己紹介・その他
表題の通り、一話完結の、小説のようなポエムのような自伝のような・・・
フィクションかノンフィクションかよくわからない、『オトコ』『オンナ』に関する文章を書いてみようかと思ってます。
管理人については、気が向いたら書きます。
とりあえず、『謎』ということで(笑)
実験場です。
