「いつだった?コンサート。」

友人に訊かれて、持ってるチケットを見せる。


「直ぐじゃん!楽しみだねー」

うん、楽しみ。

「こないだ見たばっかか!(笑」

……見た?(笑

あぁ、トークイベント。

「うん……楽しそうだったし、ちょっと困ってる靖幸だった」

歌うあなたは全然別の人みたいに見えるから

あたしは毎回ドキドキするの。

あたしね?

最初に出逢ったあなたが

名前も顔も知らない、歌声と曲しか知らないあなただったから

歌うあなたを見ていると

あなたに出逢った18歳の自分になってるの。

不思議ね。

ステージのあなたは確かに54歳のあなたなんだろうけど

たぶんきっとあたしの目には、21歳のあなたが見え隠れするんだろうな。

あの頃、あなたが思い描いていた未来は

今、どんな形に変わっていますか??

「まさかねぇ……岡村くんが今まで続けて歌ってるとは思わなかったわ(笑」

友人はそう言って笑うの。

「○○が今の今まで岡村くんを好きでいるとも思わなかったし!(笑」

そう??

そうかな……。

言われてみたら本当だね。

でも。

逢いたい、って思う人はあなたしかいなかった。

色んな音楽が溢れる中で

何を聴いてもやっぱり好きなのはあなたの生み出す音楽だけだった。

昭和、平成、そして令和。

長い時間を生きていると、

あなたにも、あたしにも、色んなことが起こって

悔しかったり、悲しかったり、絶望しかけたり。

たくさん苦労をしたと思います。

でも。

絶対道は拓かれているから。

そう信じて諦めず待てたのは、あなたが音楽を続けてくれたから。

あなたがそこにいてくれたから。

あなたもきっと、音楽を、人を信じてくれたから

今、こうして逢えるんだと思ってます。

あたしね?

死ぬまであなたの音楽と一緒にい続けてると思うの。

あの頃あたしが思っていた未来にあなたがいて。

こうして51歳の今まで逢いに行き続けてるところまでは想像していなかったけど

あたしはずっとあなたの音楽を聴いていたのよね、あの頃想像してた未来の今。

ねぇ靖幸??

あの頃あなたが思い描いていた未来に。

今、ちゃんと近づいていますか?

あなたはあなたがやりたいこと、出来ていますか??

若かったあの頃、上手くコントロールしきれていなかった自身を

大人になった今、舵は上手くとれていますか??

あたしね?

あなたの笑顔が曇ってしまわないように、って

それだけを思っているんです。

あなたのこの先の未来が、どうか嵐や高波の無い

穏やかな航路でありますように、と

そう願っているんです。

10月6日、名古屋公演、ツアー初日。

あたし、久しぶりのスタンディング、

端っこの方であなたを応援させていただきます。

あと数日。

どうか体調に気をつけて名古屋に来てくださいね?

逢えるのを楽しみに待っていますから。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「……愛だねぇ(笑」

そう言って笑うのよ?友人が。

愛??愛ってなんだろ……。

「もうさ、○○の一部なんだよ、岡村くんはさ。良いも悪いも無いんだよ。全部まとめてさ、愛。深いねぇ(笑」

晴れの日も酷暑の日も極寒の日も嵐の日も。

どんな岡村くんも全部好きなんだよ、○○は。

「岡村くんを"死んじゃったらどうするんだ!靖幸はバカだ!!"って鼻水垂らしながら怒り狂ってた○○見てるからねー、あれを愛と言わずに何が愛?(大笑」

-でも。ライブでパンツ見せられたときはドン引きしたよ?-

「それでも好きなままじゃん!(笑
ありゃー凄かったわ!あれ以来○○あたしを岡村くんのライブに連れてってくれなくなったもん(笑」

だって。

あの瞬間からあなた靖幸を気持ち悪いとかなんとか酷いこと言いっぱなしだったからね。

うるさい!!!って。

邪魔くさくなっちゃった(笑

楽しかったな、あのコンサート。

「あたし、あの岡村くんしか見てないから
未だに岡村くんは変な人のままだけど……いい??(笑」

いいよ。好きに思っててよ。

20代の靖幸を憶えておいて。

そんなことを思いながら話しをしました。

あなたがホドロフスキー監督と話した

「14歳の自分も23歳の自分も今の自分も、全部自分の中にいる」

あなたのステージを見ていると、色んなあなたが見え隠れして

それがよくわかります。

見てるあたしも。

その曲その曲の瞬間に、聴いていた自分の年齢になるから。

タイムトラベルしているみたいで楽しいんです。

日曜日。

楽しみにしてますから。