アメリカに住んでいても意外と知らない人が多いのが、アメリカの学校制度です。

 

アメリカでは、住んでいる住所によって、通うキンダーガーテン(幼稚園)、小学校、中学校、高校とキッチリと指定されていて、そこに住む全員が同じ学校に行きます。入学試験はありません。州によって若干の差がありますが、基本的には高校までが義務教育です。

 

近所に住む子供同士は、キンダーガーテンから小学校、中学校、高校と、ほぼ同じメンバーで13年間も同じところに通うことになります。

 

どこに住むかによって、子供が受ける教育が決まるというのは、とてもアメリカ的だと思います。

 

一般的に、住民の平均世帯収入が高い地域では、教育熱心な家庭が多く、必然的にその地域の学校レベルは高くなります。また、住宅にかかる固定資産税は、その相当部分が地域の学校教育へと振り分けられるので、潤沢な資金によって施設や教員数が充実すれば、さらに手厚い教育となって返ってきます。

 

ここで、住民の世帯収入が高い → 家の固定資産税が高い → 潤沢な資金で学校施設や教員が充実 → 学校のレベルが上がる、というサイクルが出来上がります。そして、良い学校に入るために周辺からさらに教育熱心な家庭が集まり、学校のレベルはどんどん上がっていきます。固定資産税の高い地域=学校レベルの高い地域、となるわけです。

 

そのため、子供が学齢期のときだけ良い学校のある学区へ転入して、卒業したら転出するということが、ごく普通に行われています。また、入学前の一時期だけ住居を移して目当ての学校に入学するという細工を防ぐため、在学中でも1年ごとに住所証明が求められます。

 

よく誤解されますが、ここでいうレベルの高い学校とは、必ずしもACTの成績が良いことだけではありません。学校を評価する基準には、プログラムの多様性や、障害児へのサポートといった要素も含まれます。その地域の生徒すべてが通うわけですから、外国人でESSで英語習得中の生徒も入れば、ADHDなど学習障害を持つ生徒もたくさんいます。

 

1つの学校の中に、高度な教育を提供するGifted/Talentedプログラムから、障害を持つ生徒のニーズに合わせて手厚いサポートを提供するSpecial Educationまで、様々なプログラムが並立しており、それを専門の教員や心理療法士などが支えています。

 

一方、私立学校は、一部の大都市にはありますが、日本のように一般的ではありません。ほかに、教会等が経営する学校もありますが、こちらは大体中学校までのことが多いです。

 

学齢期の子供をお持ちのご家庭は、家を借りる際には、どこの学区に入るかを十分にチェックすることをお勧めします。