とにかく静かな空間だった。
足腰が弱っている方達が、多いのだろうか?
閉鎖病棟のようなザワつきは、全く無い。
私は、面会の度に、高村光太郎さんのレモン哀歌(智恵子抄)を思いだした。
中学の時の国語の教科書に載っていた詩なので、ハッキリとは記憶には無いが、確か智恵子が精神を病んで、最後の時の詩だったような…。
中学生の時の私は、この時、作者はどう思っていたかの質問に、悲しいけど、看病大変だったろうなとしか考えられなかった…。
いや、むしろ、大人になっても、こんなに大変な人を、最後まで愛するとか、ありえない…
高村光太郎は、すごい…
2014年は、お正月🎍も入院中の母。
母以外の方も、老人施設のように、お迎えを待っている方々ばかり…。
洋服がないから、服を持ってこいと言う母。
母の買った物は、クリーニングに出さないと縮んでしまうような物ばかり。
洗える物を探しては、病棟に持ち込んで、看護師さんに、服は充分ありますと注意された。
オシャレが、大好きだったからと、せめて服くらいはとの、気持ちが私にもあった。
離れて暮らすことで、可哀想の気持ちが、少しだけ出てきたのかもしれない
つづく
