2016年2月。

2015年の東南アジア旅行を終え私は完全に海外旅行にハマってしまった。

それからの5ヶ月間私はずっと次の旅のことばかり考えながら大学生活を送った。

そして2016年2月大学1年が終わると同時に再び海外へ向かった。

 

 

シルクロード。古代の東西通商路である。中国と古代ヨーロッパを結ぶ道。始点は長安や洛陽と言われ、終点は古シリアのアンティオキアやコンスタンティノープル、ローマとする説など様々。ルートも時代によって変化し、一定ではない。

私はこれに惹かれていた。そして春休みはこのシルクロードに行くと決めた。西安(長安)からローマへ中央アジア経由で向かうことを計画した。

 

そして2月8日。期末テストが終わり数日実家に帰省するとすぐに出発した。そして今回の旅は西安からローマまで全て陸路で行くと決めたのだ。

 

西安までは関空から春秋航空で向かう。2月8日は中国では丁度春節。機窓から見える眼下の中国では無数の花火を見ることができた。機内は日本旅行を終えた中国人でいっぱい。隣の席になった人と随分話した。

 

西安に到着。空港を出た途端花火の火薬の匂いと大気汚染物質の入り混じった異様な匂いを感じる。いよいよ始まるシルクロード。期待に心が躍る。

 

 

中心街に着いたのは午前12時頃。治安は悪くない様子。宿を予約していたが実はこの宿は中国人専用のゲストハウスだ。中国では外国人が泊まることのできない宿が数多くある。しかし実泊めてくれる場合は多い。ちなみに価格は700円程度。(1$=120円)

 

それはともかくとしてこのゲストハウスがマンションの一室でやっている宿で見つけるのに大変苦労した。治安は悪くないとは言え深夜の街をウロウロするのは良くない。、あずマンションの一室故入り口が全くわからずかなり探し回ってようやく入ることができた。そして宿泊自体は問題ない。断られることは殆どないと思う。

 

ともかく無事に西安にたどり着いた私はここから約70日のシルクロード旅行を始めるのだった。

2015年8月~9月

東南アジア+香港+中国+台湾旅行52日間を終えた。

基本的に大きなトラブルはなかったが旅行初心者のため多少の被害はあった。

まず意思疎通の行き違いから買ったSIMカードが使い物にならなかったことが2回

そしてボッタクリだ。

 

ベトナムに入った直後タクシーにぼったくられた。基本タクシー運転手はどこに行ってもボッタクリをしてくる生き物だ。メーターのない国ではなおさら。入国直後は相場もわからずボラれることは多々ある。

 

ベトナムでは3回くらいぼったくられた。それぞれ相場の3倍程度の額。英語もできず言い返せなかったし、降りるときにボラれることが大抵なので乗る前の確認は非常に重要だ。被害額は微々たるものだがやはり気分が良くない。

 

さらに写真撮影や荷物を勝手に運んでチップを要求する奴ら。どこにでも居る。これらも2度とは引っかからなかったが最初はやられてしまった。これまた気分を害する。

 

幸い盗難はされなかったがカメラを置き忘れた。これは終わったかと思ったが無事に見つかった。気の緩みが起こしてしまう。しかもカメラに関してはその後落として壊れた。これは帰国後海外旅行保険で修理費をカバーすることができた。

 

私は海外旅行保険はクレジットカード付帯の保険で賄っている。ネットでの評判は良くないが一応ちゃんと対応してもらえている。またこれもあまり知られていないが海外旅行保険付帯のカードを複数持つことで死亡保障以外の保証限度額を合算できる。例えば携行品損害の補償額が20万円のカードを2枚持っていれば40万円になる。

 

付帯条件の確認はしっかりしておけば問題ない。また裏技ではあるが保証期間を飲ますことができる。カードの保険は大抵90日以内の旅行が保証期間となっているが、一部カードでは旅行代をカードで支払った日から90日と定めている。

 つまり出国後にカードを利用した場合その日から数えて90日保証される。これにより理論上は数年間の保険適用が可能になる。

 

この旅行で私の旅行スタイルがかなり明確になった。近年バックパッカーはみんなでワイワイしたり、出会いが何より重要だったり、国際交流したり、はたまたボランティアに主眼をおいたり人それぞれ様々だ。

それらももちろん良いのだが私は基本的に自分の好奇心を満たすためだけに旅行に行っている。色々な物をただ見てみたいのだ。

 

インターネットと格安航空会社の普及で海外旅行は圧倒的に身近になっている。いつか行きたいではなく時間の余裕がある今行くべきだと思った。

2015年9月。

シンガポールから夜行バスでクアラルンプールに戻り、クアラルンプールから台湾の台北に向かう。大学の夏休み期間は終了していたが初週は授業をサボる形で旅行を続行。本来日本に直帰する予定だったが航空券の価格の関係もあり台湾に3日間寄ってからの帰国となった。

 

クアラルンプールに到着したのはまたまた朝4時ごろ。バターワース行きのバスだったので寝過ごして荷物だけおいて行かれそうになった。親切な人がクアラルンプールで起こしてくれる。

 

飛行機は夜便なので一日することがない。クアラルンプールは既に観光していたためショッピングモールをウロウロした。荷物が重いので映画を見て時間を潰すことにした。

 

 

たまたまやっていた実写版進撃の巨人。日本語の映画はこれだけだったので見てみる。ちなみに原作は読んでいる。実写版は正直駄作だった。価格は400円程度でシアター施設は超豪華。日本もこれくらい安いと良いのだが。

 

空港まで電車で向かう。飛行機はLCCのエアアジアX航空。KLIA2ターミナルはLCCターミナルとは思えないほどの豪華さ。関空や成田のターミナルはまるで貨物用倉庫だ。(というか関空の第2ターミナルは貨物倉庫に転用できる様になっているのではないか)

 

 

台北桃園空港へ。機内が寒くて凍えた。恥ずかしいがアルミシートで凌いだ。到着が深夜だったので空港ソファで一晩明かし、翌日宿にチェックイン。泊まったのは日本人宿のジョーゲストハウス。

 

台北も一通り有名所を観光。北投温泉、台北101等。台湾の雰囲気はかなり日本に近い。東南アジアから東アジアに帰ってきたなと感じる。ただ先進国と言うには今一歩といった街並み。何を持って先進国とするかはよくわからないが。

地下街のオタグッズ店

 

北投温泉

台北101

 

翌朝台湾高鐵で高雄に向かう。700T型新幹線はまさに新幹線。運賃は安い。

韓国が線路を手抜き工事した区間の揺れが酷いといった話だったが思ったほどではなかった。ミャンマーのそれを思い返せば何の問題もない。

 

高雄で小籠包を食べ、街をぶらり。地下鉄の日本語アナウンスがうれしい。

 

美麗島駅

 

高雄国際空港から関西国際空港にフライト。タイガーエア台湾。空が物凄く綺麗だった。いよいよ帰国だ。

 

 

無事到着。52日の旅が終わった。私にとっては大きな体験だった。

帰りの電車の中で自分の格好が浮いているのがわかる。毎回帰国時は小汚い。

 

海外初一人旅が終わった。意外とトラブルもなくすんなり行けた。というか思った以上に英語が必要ではないと感じた。旅行なんて誰でも行けるし遊びに過ぎない。

 

得られた経験、日本では絶対に無い体験は非常に多かったがそれで自分が変わったりはしなかった。自分探しとか言って旅に出る人がいるが、私は結局この後3回旅したが自分が見つかることも性格が変わることも意識が変わることもなかった(笑)。

 

ただの旅行で人生観やら価値観が変わる人は正直うらやましい。私はせいぜい海外旅行が好きになった程度だ。これらの経験を今後活かすこともないかもしれない。というかなくてもいいと思う。

 

まぁ家でダラダラしてバイトしてるだけの夏休みよりは遥かに充実していたし、他の人にもバックパッカーは勧めたい。

 

私はただの大学生に戻った。旅費は30万円強だった。