レソト&南アフリカ紀11 ついに絶景サニパスへ!奇跡はたまに起きるから奇跡なのだ | 世界一周行ってきます!と果たして言う事ができるのだろうか
朝、恒例のギュウギュウバスに乗った。

出発する直前での滑り込みだったようで、すぐにドアが閉まった。

しかし、なかなか発車しない。


さらには、お客さんとドライバーが揉め出した。




なんだなんだ、朝早くからやめてくれよ。



って、思ってたら、やたらこちらをチラチラみてくる。


何を隠そう、原因は僕だった。



数えたら、15人の定員のバスに、16人いるではないか。
ぼくは招かれざる客だったようである。


とは言え、ちゃんと乗客名簿の15の横に名前を書いたのだ。


ぼく以外の誰かが申告せずに乗っているということだ。

名簿には全員の名前が書いてあるので、点呼をすれば、呼ばれてない奴が犯人である。

単純明快。即、解決。

しかし、なぜかそうしない。


そして、16人乗せてバスは出発したのだった。



おかげで、3人がけシートに5人乗るという、アミスタッド号か!っていう…まあ、不適切な表現ですみません。謝罪します。


そんなセモンコンからサニパスへの道のりである。



『サニパス』

レソト西部。南アフリカ共和国との国境にあり、この旅の目的地だった。

切り立った崖から見渡す世界遺産・ドラケンスバーグ山脈が美しいそうな。




そう、晴れていればね。




レソトと南アフリカの国境で降りたのはぼくだけだった。


そこは、イミグレーションの建物以外なにもない、ただの草原であった。


「サニ・マウンテン・ロッジ?」


と、バスの運転手に今日泊まろうとしている宿の場所を聞くと、あっちだ。と、道無き道を指す。


えらいところに来てしまったなあ。


なんて、歩いていたら、ロッジが見えてきた。


すぐ目につくのが、レストランから繋がる展望デッキ。

崖の際にあって、そこからの眺望は格別なのだ!

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そう、晴れていればね。


ぼくは、急いでレセプションへ向かった。
部屋が空いているのか一刻も早く知りたかったのだ。なぜならば、ここも西洋人で溢れかえっていたのだ。

詳しくは、唯一の宿がフルだった、セモンコン事件の回を見てくれ。


しかし、今回は空いているとのこと(あとでわかったが、空いてるどころか、ほとんど宿泊客はいなかった。沢山の西洋人は、立ち寄りでのご利用でした)。

一安心、一安心

一休み、一休み


といきたいところだが、ポニートレッキングに申し込まねば。

という事で、荷解きもせずにバッグをレセプションに預け、馬にまたがる。


このポニートレッキングがサニパス観光の目玉であり、ドラケンスバーグ山脈をのぞむ崖沿いを行く。

これが非常に絶景だと言うのだ。

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そう、晴れていればね。


見渡す限り、山脈が連なる様は、まさに圧巻!

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そう、晴れていればね。


馬は歩を進め、さらなる絶景ポイントへ。
そこは、崖の端になっていて、山脈が180°のパノラマで見る事ができるのだ。


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そう、晴れていればね。


次のポイントは、切り立った崖と、山脈のコラボレーション!

それもまた乙である。

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そう、晴れていればね。




こんな感じで、4時間のトレッキング。



まじで最高………






って、なんで曇ってんだよ!どこまでいっても雲しか見えないよ!

4時間、地獄かよ!


日本じゃ、やれ雲海テラスやら雲海カフェと、やたら雲海が貴重がられてるけど、結局のところ曇っているだけなのだ。

それを、マスコミがていの良い名前をつけているだけなのだ。


雲は、どこまでいっても雲なのだよ、諸君!



ガイドのおじさんも変わりばえしない景色に、申し訳なさそうな感じである。


こちらこそ、こんな日にトレッキングして、すみません、だよ!



どおりで誰もポニートレッキングしてないと思った。




さて、しかし僕には信じる心があった。

これが誰かが書いた物語ならば、焦らしてからの絶景ドンッ!て事だってありえる。

その方が、感動もひとしおってもんだ。


ぼくは、ちょっぴし、神様というものを信じてみることにした。


部屋で待つ事5時間。















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神は死んだ!


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視界1メートルの霧である。


なんて事だ。


ぼくは、最後に必ず救われる物語を生きていると思ったが、


これじゃ、ミスト。


オチが衝撃的な映画ランキング常連の『ミスト』の世界に入り込んでいるのだった。


本当は渓谷を照らす夕日は美しく、幻想的な写真が撮れるはずだったのだ。



そう、iPhoneならね。


次回、奇跡は……起きた!