ペルー・ボリビア紀③ カウントダウンストーリー | 世界一周行ってきます!と果たして言う事ができるのだろうか
毎年恒例。

年越しの瞬間、どう過ごすか 問題。

年末年始なんか関係ねぇ!休みがあるから海外に行く!それだけ!

と、意気込みながら、31日が近づくにつれて、そわそわしてしまう。

毎度のことである。

やっぱり記念日は大切だよねー。


ちなみに昨年は、ミャンマーの地。
ひとり、地元密着カウントダウンライブへ行き、クイーンのカバーアーティストの反体制的な歌にドキドキしながら年を明けたものです。

花火は上がらないのですが、スピーカーから音だけなっていたのが印象的でしたね。


まあ、

淋しかったです。

そもそもミャンマー、旧暦ですからね。地味ですよね。仕方ないですよね。


さて、今年はどこにいるのかというとペルー!
敬虔なキリスト教国で、新暦採用!
これは期待できる!!


さて、
ちょうど31日、どこにいたかというと…

プーノ。


首都リマでも観光地マチュピチュでも世界遺産の街クスコでもなく、プーノ!

チチカカ湖の街プーノ!
……
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まずぼくらは日本人を探すことにした。
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海外➕年越しカウントダウン という特殊なシチュエイションを最大限に生かす、下心丸出しの作戦だ。
(ミャンマーの時と変わらない)


ターゲットは
もちろん女子!
もしくは女子を含むグループである。

6時から7時の夕食時に、時間帯を絞り、
さらに観光客向けのレストランが並ぶリマ通り、およびアマナス広場を
往復した。
何度も。
何度も。

しかし、日本人自体がいないのだ!
あれだけマチュピチュにはいたのに!!!



………
いや、本当は若い女子二人組を見つけたのだが、写真を撮り合ったり、あまりのリア充っぷりに、見て見ぬ振りをしてしまった。

違うんだ!
もっと、こう、
旅にやや疲れて、テンションを上げずに感動することを覚え、
非日常が日常になる感覚に、
恐れおののきながら、居心地の良さを感じる。わざわざ記念の写真は撮らない。

そんな、話しやすそうな…リア充っぽくない女子ならば……声をかけることが…できたかもしれない…………



さて。

ぼくらは早々にプランBへと移ることにした。


西洋人と仲良くなろう 作戦だ。

お祭り騒ぎが好きな西洋人ならば、簡単に輪に入れるはずである。

そこで
一軒の西洋人向けクラブに目を付けたのだった。


ニューイヤーパーティーは十時半から。

まだ七時なので、
しばしプーノの大晦日を観察することにした。


プーノは実は、チチカカ湖観光の拠点であるとともに、ボリビアへ抜ける要所なので観光客が多い。

街全体も潤っているようで、若者も先進的だ。

地元若者の年越しは、クラブである。
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男性はタキシード、女性はドレスで、腕を組みながら、まちに幾つかあるクラブへと吸い込まれて行った。

盛り上がっているのは、若者だけではない。

大晦日になると街全体がそわそわしだす。

特設の市場が開かれ、老若男女が門松のようなものやら、シャンパンやらを大量に買って行く。
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日本と似ている。

そして何より、異常なほど売られているのが花火である。
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爆竹や、
業務用の大きなものまである。

これはどのように使うのだろうか…
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これらが、飛ぶように売れて行くのだ。

火事があったら街ごと吹っ飛ぶんじゃないか、という量だ。

いったい何に使われるのだろうか?



夜10時半になった。
ぼくらはクラブの前で迷っていた。

店内は西洋人たちで、狂ったように盛り上がっていた。

本当にここでいいのか?

もっとペルーらしいところで新年を迎えた方がいいのではないか??

しかし、ペルーらしいところがわからない僕らは、ノリノリの西洋人の渦へと吸い込まれて行ったのだった。



流行りのナンバーが大音量でかかっていた。

みんなが踊っていた。

南米らしく情熱的な踊りだった。

アルゼンチン女性のアナと仲良くなった。

アナはメンヘラだった。

ぼくらが休憩していると怒った。

無理矢理踊らされた。

たくさん写真を撮らされた。

でも楽しかった。

時計を見た。

12時を数分過ぎていた。

カウントダウンは、なかった。

誰かが思い出したように、

ハッピーニューイヤー!

最高潮に盛り上がる店内。

アナにビールをおごらされた。



ふと、窓の外を見て驚いた。
さっきまで人が行き交っていたのに、真っ白だった。

霧がでたかのように全てが煙に包まれていた。

まさか…

ぼくらは盛り上がる店内を突っ切り、店の外に出た。

耳をつんざく破裂音。
空気を切り裂く、ひゅっという音。

街のあちこちから花火が上がっていた。
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そう、市場で大量に売られていたあの花火だ。

目の前で上がったかと思うと、丘の上の住宅街から、無数の花火。
種類もさまざま。色もさまざま。見渡す限り360度、いたるところで絶え間無く、上がる花火。

誰かが指示をしたのではなく、住民たちがおのおの花火を上げているのである。

しかも
どうやら、年が変わる瞬間の花火が凄かったらしい…

こっちだったか…

クラブに行かず、ただ外にいるだけでペルーの新年が味わえたはずだった…


まだまだ終わる気配のないクラブに戻り、アナに別れを告げ帰ることにした。

アナは怒ったが(その割に名前を覚えてくれなかった)、あす、早いことを告げてハグして別れた。

花火はまだ続いていた。