こんにちは
JIG-SAWです。



今回は映画を紹介していきます。




今回の映画についてなんですが、世間でそこまで評判が奮わなかったものですが、個人的に面白い映画だという事で、世間の中で評価されてないモノを取り上げて勝手に名作にしちゃおうという試みです。



第1弾の映画は…


人生スイッチ
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そうですよね、知らない方が多いですよね。

これはスペインとアルゼンチンの映画で日本では上映してた映画館も少なく、知名度も低いのですが、


アルゼンチンは実は映画大国と言われ、本国ではあの、アナと雪の女王よりも売れたヒット作なんです。



日本ではなぜ売れなかったんでしょうか…?








僕が考える理由としては、日本の今の映画の風潮として、やりたい放題のギャグ、実写化、感動モノ、エンタテイメント、ガチモノの恐怖やサスペンス、と言った0か1かにしか寄らないような作品が台頭しまくっているからだと思います。




一方でこの人生スイッチというのは、ブラックジョーク満載の、違う視点からも見れる面白さ、けどなんだか顔が引き攣るような、「笑っていいの?コレ苦笑」というような短編ストーリー6つで構成された映画
なんです。


大まかにあらすじを説明します


1おかえし:  飛行機に乗ったら乗客全員に共通点が…

2おもてなし:  偶然、深夜飲食店にやってきた男は従業員と何かの関係があるようで…

3エンスト:  ど田舎の車がほとんど通らない道で車が故障し、そこにやってきたのは…

4英雄になるために: いつどこに車を止めてもレッカー移動させられる男が…

5愚息:  
息子のひき逃げ事件を金でもみ消そうとしている裕福な家庭が…

6ハッピーウェディング:  結婚式の会場に新郎の浮気相手が…



といった感じです。

ネタバレすると面白くないのであらすじはこれくらいにしておきます。



この映画の最大の特徴は、全編にわたって 登場人物の頭のネジがぶっ飛ぶ様=怒り が非常に面白く書かれているところですね。



この怒りにより人生に於いて入れてはいけないスイッチが入ってしまった為に
犯罪行為だろうと、人目があろうと、後ろめたさがあろうと、止まる事なく突き進んでしまう人間とその末路を描いてるんですが、この人間達は僕らと何ら変わらない日常で過ごしていて、偶然の産物が引き金になっています。

ダミアンジフロン監督は、その誰にだって起こりそうだけど、そんなに起こらない、観てみたいけど観たことのない世界観を見事に描いています。



つまりSFや一大スペクタクルとは逆に、日常をほんの少〜し逸脱すれば手が届きそうな世界、それを観て欲しいからじゃあ映画でやってみよう♪的なノリだったんじゃないでしょうか。


そして、まぁ短編なんで当たり前ですが、ストーリーのテンポがすごく良いです。
このテンポの良さはどうやって作っているのでしょうか?


それはこの映画のメインテーマ、ブチギレです。


主人公たちはあっさりキレます。





人間、本気でキレる時は意外と一瞬の衝動なんではないでしょうか?


普段はすごく温和な人でも、その人にとってタブーな部分に踏み入れられると結構いきなりキレたりしますよね



案外他の人からするとどうでもいい事が、本人にとってはプライドを傷つけられたりするものなんですね。





「いやぁ、そんなくだらない事でここまでやる?ちょっと引くわぁ…」という様な気持ちにはなるかもしれませんが、果たして自分は彼らと同じにはならない、と言い切れるのでしょうか。





映画だから、映像だから派手にみせてますが、原因は実に些細な事。(そうでもないものも含まれてますが笑)


この映画は傍観者としてみると「あぁ…理性を失った人間ってアホだなぁ…」とブラックユーモアを楽しめますが、おそらくこの映画の監督はそんな視聴者を思い浮かべて鼻で笑っているのではないでしょうか。





誰にでも起こり得る日常のほんの少し外の範囲で繰り広げられる暴走劇。



笑っていいのか。笑っていいんじゃないでしょうか。

他人事ですから笑