絶景物語 | みちくさ じゅうちゃん

みちくさ じゅうちゃん

「癒される瞬間」

  富士山が多くの人に好かれる理由は何か !?
日本国のシンボルだから !? 、それとも大和魂の象徴と言われる威厳からかな。
私に考え付くことは、そんな理屈ではなく単純に美しいからだと思います。
なぜ美しく目に映るのか・・・
それは単独峰ならではの、火口から裾へと延びる形の良い母体からです。
私流の母山とは、稚児が母親の胸に抱かれ、夢を見るように包み込まれる安堵感を意味すること。
甲斐の国・山梨県出身の私は、幼少の頃から富士を当たり前の様に目にし、体の一部の様に生活習へと溶け込んでいました。
最近では時々と、無性に真近で富士を目の当たりにしたくなることがあります。
今年七月の中旬、この日は富士を眺める絶景ポイントの一つ、河口湖で逆さ富士と御対面。
御坂山と黒岳の尾根を伝わり、山頂から眺める豪快な富士を堪能してきました。
山梨県側から眺める富士の一部には、樹木の育たぬ溶岩台地が広がり、ゴツゴツ感のある荒々しさを男富士と呼びます。
富士に因む句として、「初空にうかみし富士の美まし国」とある。
 高浜虚子作で美まし国を、うましくにと読む。

 

逆に静岡県側(御殿場付近)から眺める富士は、青々とした滑らかさがあり女富士と呼ばれております。
以前、武田信玄と今川義元が富士をめぐりて雑談に火花を散らせ、北条氏康が仲裁に入る一説をご紹介差し上げました。
どちらが表富士で、どちらが裏富士であるのか・・・
ドラマ上の演出か否か、実に滑稽な面白い場面である。
富士は美しい、どこから見ても百景である。それが霊峰富士のトレンド(魅力)という私の持論です。(偉そうに ! )

 

河口湖の北部に位置する御坂山の登山口は、峠にあるトンネル手前の天下茶屋を目標に移動をかけます。
「よし見つけたぞ」夏の樹木が葉を青々と茂らせ、welcome ! と気持ちよく出迎えてくれる。
しばらくは丸太造りの階段が永遠と続き、精神的にも肉体的にも鍛えられます。(笑)
 

  

山頂付近に達すると傾斜は緩やかになり、尾根道の先には黒岳と三ツ峠方面への岐路へと到達します。
先ほども申し上げましたが、この日は富士の裾に広がる湖(河口湖から西湖まで)を見たさに大石峠方面へ向かいました。

河口10

山麓から溶岩石が延びる天然の岩階段が続き、二機のカメラをぶら提げる私には気合が必要。
危険なポイントへ遭遇した時、登る時は登る、下る時には下る事だけに専念しないと怪我をする。
キビシ~ (苦)

 

鬱蒼と広がる樹海の切れ目から富士山が顔を出しました。
「Oh beautiful」 「berry good」 「 トレビアン、トレビアン」 って、厳し~い ! とか、俺は財津一郎さんか !? (笑)
夏の富士山を展望するには、天候と気流に左右されやすく、湿度が高いために晴れていても難しいのです。
早朝に湖畔で見た富士山も、登山をしている時間帯には雲がかかります。
この日はよく見えたくらいで、霞んだ富士も またも百景である。
河口湖に差し掛かる大橋と、富士山の雄大さに足止めをされました。

 

さて、場面は変わり今年十月の上旬には、山梨県の北杜市ある瑞牆山へと登山をしてきました。
中央高速を飛ばし、須玉ICで下車。

 

今年は残暑らしい残暑の期間も短く、山の紅葉は早いだろうと予測して正解でした。
見て下さい、この紅葉に広がる瑞牆山を・・・

 

奥秩父連峰の西に一際聳え立つ、標高二千二百三十メートルの岩山です。
当然のことながら日本百名山の一つで、白樺や栂林などの 岩峰との対比が素晴らしく絶景である。
 
 

人気を避ける為にメジャーな登山ルートとは逆コースを辿り、中腹までやって来た。


 

これは瑞牆山の名所の一つの不動滝です。
モルタルを垂れ流した様な岩盤を、清流が舐める様に滑り落ちる。
こんな滝を見るのは初めてだ。

 

中腹から見上げる頂上付近は霞んでいて、仙人が住まう伝説的な仙境の雰囲気だ。

 

「いや~、いい処へ来たな~ ! 」
満足、満足、無我夢中でシャッターを切りまくる。(笑)
 
 

山頂から見下ろす台地との高低差は、見るものを圧巻させる迫力がある。
少し下には大ヤスリ岩が突出しており、まるで巨大モアイ像を連想させるかの眺めです。
近くには金峰山も聳え立ち、お次はこちらへもどうぞと言わんばかりである。
 

 

山頂から臨む八ヶ岳連峰、低い山々には雲がかかり正に風光明媚の一言。
「〇〇さん、危ないよ !! そんなに近付いちゃ~ ! 」と、友が叫ぶ。
しかし、この景色は中国四千年の歴史を彷彿させるかの様な絶景だ。
帰宅途中には茶色の名湯ラジウム温泉に浸かり、一日の疲れを癒しました。

 

最後に今年十一月の中旬に、五百円札の舞台となった大蔵高丸へ出かけてきました。
今年は驚いたことに前日までの悪天候が嘘のようで、当日はこれ以上の登山日和はないというくらいの天候に恵まれたことです。

 

同行する山登りのメンバーにはパターンが二つあり、一つは登る事に専念しつつも渓流釣りを趣味に持つ本格派です。
もう一つには写真やバーベキューなどを好むアウトドア派で、両方の付き合いを大事にしております。
この日はアウトドア派と合流です。
 

 

里山には紅葉が真っ赤に色を染めて、吹き溜まりの渓谷にはエメラルドグリーンの絨毯が敷き詰められている。



中腹には芒が風を浴びては、お手手振り振り愛想笑いをしている。
遠くに霞んで見えるのは富士の山。

 

これが五百円札の舞台となった富士山系です。
写真好きの友はコントラスを調整して収めたフォトショット。
私はソフトで調整しますが、彼はカメラを使いこなす名キャメラマン。(笑) 

  

青い空に真っ赤な紅葉
自然界の美しさには魅了されるばかり
山歩きに興味のない人も
いつかは好きになる時期がくる
きっと来る~♪(汗)

 

「出た~ ! 」
これぞアウトドアの真骨頂、この日は山菜採取の達人も参加。
さすがに晩秋だけに山菜はございませんが、メニューに抜かりはございません。
 

 

「おう、なんだ !! 」
「きれいな飛行機雲を撒き散らして気持ちよさそう」
 

 

「うわ~、ソースの香りが食欲をそそる~ ! 」
達人いわく、これは静岡名物の富士宮焼きそばを調達してきたと。

  

富士を眺めながらのご機嫌なひと時、正に癒される瞬間(旬感)である。

 

最後の占めにはみそ仕立てのトン汁で温まる。
って、やりすぎ~!
だから好きよ、この人を(笑)
 

  

みんな、今日はお疲れ様。
いいもの見たね、本当に。
そして今年の山歩きに同行してくれた仲間たちに感謝。

 


論より証拠、時間のある読者さんは動画を視て下さい。
こんなに素晴らしいものなら、ハイキングへ出かけようと感じることかもしれません。

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