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(写真=bluebay/Shutterstock.com)

各国でキャッシュレス化の利点を全面に押しだした方策が検討される中、インド政府が新しいタイプのデジタル通貨である「デジタル・ルピー」を発行する可能性が色濃くなってきた。

仮想通貨発行が、モディ首相の目指す真の経済改革の一環であることは一目瞭然だ。インド準備銀行(Reserve Bank of India、通称RBI)は研究部門を通して実証実験を実施後、デジタル・ルピーの発行を推奨する報告書を発表した。

高額紙幣廃止、デジタル決済利用の促進で国民の意識改革

ナレンドラ・モディ首相は2014年の就任以来、インドにおける外資規制緩和や製造業の振興策、物品サービス税に向けた憲法改正案など、精力的に自国の経済改革に取り組んできた。

「モディノミクス」と呼ばれる経済政策で着実に成果をあげる一方、2016年11月、高額紙幣(500ルピー、1,000ルピー)の流通を発表からわずか数時間で完全廃止するという、過激なアプローチにでた。

国内決済の9割を現金が占めるという状況で大混乱を引き起こすものの、結果的には不正資金をあぶり出し、汚職事件の軽減に大きく貢献したようだ。その中で、モディ首相は高額紙幣廃止にあたり、モバイル・バンキングやクレカを含むデジタル決済を利用するよう、国民に訴えかけた。

政府系インド決済公社、NPCIが開発したモバイル・アプリ「BHIM」の提供も開始し、「完全なキャッシュレスの実現は無理だが、デジタル化への一歩を踏み出し、現金の流通量を減らして行くことは可能だ」と、国単位の意識改革を目指している。

銀行へのアクセスが不十分なインドでは、年間放棄所得が220兆円

なぜ、モディ首相はこれほどまでにデジタル化にこだわるのか。不正資金の撲滅以外にも、モディ首相をデジタル経済へと駆り立てる重大な要因がある。

安全性の向上、利便性、取引範囲の拡大などがキャッシュレス社会の利点としてあげられることが多いが、政府や金融機関にとっては巨額のコスト削減が期待できる。銀行へのアクセスが先進国ほど確立していない新興国では、なおさらだ。

新興国におけるデジタル経済化を分析したマッキンゼー・グローバル・インスティテュート(MGI)は、「すべての新興経済のデジタル化が実現すれば、2025年までにGDP(国内総生産)を3兆7,000億ドル(約 406兆 1,120億円/6%増)にまで押し上げることも可能」だと予想している。現在のドイツのGDPと同じ規模に拡大することになる。

銀行へのアクセスが不十分であることが足かせとなり、放棄所得が年間2兆ドル(約219兆 5,200億円)を超えているといわれるインドでは、「2025年までに7,000億ドル(約76兆8,320億円)のGDP増加が期待できる」とされている。

各国の政府がデジタル経済化に積極的な姿勢を示すのも、不思議ではない。

高額紙幣廃止以来、インドのビットコイン取引所ユーザーが2倍に

自国の仮想通貨発行は、キャッシュレス化の究極例といえる。

元クレディスイスとリーマン・ブラザーズのインド支部の責任者、アジェヤ・シン氏は、インドが近日中にデジタル・ルピーの発行に踏み出すと予測している一人だ。高額紙幣の廃止や安全かつスピーディーなキャッシュレス決済環境の整備など、国内のプレ・デジタル化は整っている。

高額紙幣廃止がインドのデジタル通貨流通量を一気に引き上げたことは、疑う余地がない。廃止後わずか半年で、インドのビットコイン取引所、Unocoinのユーザー数は2倍に増加。20万人を突破した。

インドの消費者にデジタル通貨という概念が急速に浸透し始めた今、デジタル・ルピーの導入は比較的容易に達成されるだろう。

RBI研究部門がブロックチェーンの実用化に太鼓判

開発・導入にあたり、肝心の技術面が気になるところだが、その辺りの推進も万全だ。シンガポール金融管理局(MAS)ともFinTech技術の提携関係を締結しているほか、2017年1月にはRBIが研究部門である「IDRBT(Institute for Development and Research in Banking Technology)」を通し、国内銀行とNPCI間のブロックチェーン取引の実証実験を行った。

この実験では、オープンソース分散型台帳技術「Hyperledger Fabric」を用い、既存のNPCIの即時決済サービスの取引やプロトコル性能が試された。

IDRBTは実験後に発表した報告書の中で、「ブロックチェーン技術は、実用化に適した水準に達している」とし、「デジタル・ルピーへの採用に向け、開発に着手するよう提案している。こうした背景を考慮すれば、インドがデジタル・ルピー発行のカウントダウンに入っている可能性は高いだろう。