昨日ゴジラ映画祭上映のブログを書いて早速行きました。
怪獣島の決戦ゴジラの息子。
これも、初めてスクリーンで観ました。
ゴジラの息子(実子かは不明)が初登場します。
気象実験のために過酷な南海の孤島で奮闘する科学者のストーリーと、ミニラが引き起こすコメディ展開が好きなんですが、公開当初はこれが不評。
世は怪獣ブームにも関わらず、興行成績も落ち、自作「怪獣総進撃」でゴジラシリーズを打ち切る決断までされたという、ある意味、問題作中の問題作です。
恐怖を体現するゴジラの本質とは大きくかけ離れ、子育てをするなんともヒューマニズムあふれるゴジラに、過去からのファンはさぞがっかりしたと思います。
でも、私は子供のころ、ゴジラとミニラの火炎放射練習シーンで爆笑して、とても楽しかった思いがあります。
それは私の怪獣好きになる原点の一つであることには間違いなく、むげに否定する気にはなれません。
大人は「大人の鑑賞に堪えうるゴジラ」を欲しがりますが、こういうのもないと子供、つまり今後長らくひいきにしてくれるファン層の獲得につながらないと思いますけどね。
ここまで書くとみどころゼロみたいですが、極限化で追い詰められる科学者たちの奮闘ぶりや、ラストで冬眠につくゴジラ親子の切なげな姿など、なかなか面白い作品ですよ。
私がいまいちと感じるのは、敵怪獣カマキラスとクモンガに魅力を感じないところ。
光線とか特殊な攻撃のない、タダのデカい虫なんで、盛り上がりに欠ける気がするんですよね。
ただ、あれを大人数で吊って滑らかに演技をつけているのはマジで凄いと思います。
カマキラスが登場すると流れるカマキラスのテーマ(?)は、ギロの音色が昆虫感と南国情緒を一気に醸し出す、まさに臨場感満点の一曲です。
怪獣島の決戦ゴジラの息子。
あなたの人生に1時間26分、使いどころがない時間ができたら見てもいいかもしれません。
この後、完全に正義の味方に舵を切るゴジラが、人類の恐怖だった面影をぎりぎり残している作品です。
作中の科学者の苦悩する姿に、これから斜陽を迎えるゴジラ映画の製作者たちの苦悩を重ねてしまうそれだけの話。