「昔昔あるところに」で始まる昔話、子供の頃聞いたことのない人は殆どいないだろう。つまり時代も分からない、場所も分からないのが昔話。落語に父ちゃんが金坊を寝かしつけようと昔話を聞かせる、だが落語に出て来る子供は普通の子供みたいに素直ではない。昔昔って何時代、あるところって何処のこと、と一々突っ込みを入れて、その答えに追われた父ちゃんが先に寝てしまうというのがある。理屈っぽい現代っ子なら、落語の金坊と同じに次々突っ込みを入れてきて、大人しく聞いてくれないかもしれない。と言うより、馬鹿馬鹿しくて聞いていられないと言うかもしれない。ときどきそんな昔話を題材にして、他愛ない川柳を作こともある。
母は桃父は分からぬ桃太郎 三猿