母さんがくれたいのちだ抱いて寝る 斎藤大雄
崩れゆく命をいのちを抱いて原稿紙 斎藤大雄
最初の句は大雄さんの辞世の句。下の句も晩年の作だ。斎藤大雄さんは川柳界では北の巨星と言われた。北海道の川柳はこの人抜きには語れない。急行の止まる駅に川柳社作ることを目指し東奔西走、各地に柳社を立ち上げた。「情念句」を提唱して女性川柳作家を一気に増やした。「大衆川柳」を提唱して川柳を底辺拡大を企図した。そして志半ばで亡くなった。享年75歳。やりたいこと、やらなければならないことがまだまだあった筈。百歳まで生きることを願っていたのだが、叶わなかったのである。
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