一週間ほど前、たまに贅沢をしようと鰻を食べに行った。土用の日も近いしという訳。だが有名店じゃなかったせいか、思ったほど旨くはなかった。子供の頃、父に連れられて東京のデパ地下で鰻をご馳走になったことがある。世の中にこんなに旨いものがあるのかとビックリした記憶がある。その記憶が頭に植え付けられたのか、以後どこで食べてもそれほど旨いと思わなくなった。鰻の品質が落ちたのか、戦時下の食糧難のせいか。当時食糧事情はそれほどひどくなっていない頃だから、生まれて初めて鰻というものを食べた驚きのせいだったのだろう。

 もう一つ理由としては、最近食べた店が有名店でもなかったせいかなとも思う。だが昨日の新聞を見たら、横浜の京急百貨店に入っている、有名鰻屋日本橋の「伊勢定」という店が売った鰻弁当で130人が食あたりに罹り、90歳の女性が亡くなったと出ていた。何でも黄色ブドウ球菌によるものらしい。ボクが食べたのは名も知れぬ店だったが、食あたりしないでよかった、良かった。