ピンポーン
「はい」
『山本ですけど』
「…っ!!」
ガチャ
「…彩ちゃん!」
久しぶりに見た美優紀は特に何も変わってなくていつもの笑顔でこっちを見ていて
私の胸の中にあったもやもやが解けていった
『もー、学校もこーへんし、連絡もないから心配してんで!』
「ごめんなぁ、それはちょっと…
準備してて…」
『…準備?』
「んーん!なんもない!笑
あ、渡したいもんあるから手出して!」
『?? はーい』
すっ
『あっ…』
「あれ?今日バレンタインやで~
もしかして忘れてたー?」
手の上にあったのは可愛くラッピングされたチョコクッキーだった
そうか…
今日、バレンタインやったんか…
『あー忘れてたわ笑
ありがとーな!』
「ふふっいいのいいの!」
『まぁー、美優紀元気そうやし
そろそろ帰るな??』
「…待って彩ちゃん
伝えたいことがあるねん」
そう言った美優紀の顔からは笑顔が消えていた
「あのね、彩ちゃん」
あれ、この感じ…どっかで…
思い出す間もなく美優紀は話を続けた
「彩ちゃん…私ね…
アイドルになる」