韓国ドラマ「私の解放日誌」のこと、いつか語りたいと思っていました。
だけど語るには難しいドラマで、考えが上手くまとまりませんでした。
今になって記すことにします。
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さて、これまでの自分の人生を振り返ると、
こうすれば良かったとか
あんなこと言わなきゃ良かったとか
どうしてその選択をしてしまったんだろう、
と今になって後悔することがあります。
つらい日々だったなと振り返ることもある。
一方、当時は気がつかなかったけど、今になって、あれが自分にとっては輝かしい瞬間だったのではと、愛おしく思える場面。
そして、あれが自分にとってのターニングポイントだったんだと。あの出会いがあったからこそ、今があると。
点と点が不思議に結びあい、不思議な出会いがあり、今の自分がある。
その奇跡に感謝したりもします。
明と暗含め、自分の人生。
だけど、つらいこと含め、その全てを愛おしいと達観できる日は来るのか。。。
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韓国ドラマ「私の解放日誌」は、そのような人生のもつ性質、機微を感じさせてくれるドラマです。
リズム感あふれるストーリー展開はなく、ただただ日常が流れていく。
その中で、つらい瞬間もあれば、輝かしい場面もあれば、ターニングポイントと言える場面もある。
地方都市に住む長女、長男、末娘。
実家の仕事を手伝う謎のアル中男。
4人の生活を通じて、人生のもつ不思議な性質、機微、奇跡について丁寧に描いたドラマに思えます。
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作品性より数字を求めがちな日本では、制作できないドラマかなと思います。
日本のドラマ視聴の時間感覚だと、1話の30分で飽きてしまうかも。
だけど、この作品が2023百想芸術大賞で最優秀脚本賞をとりました。
韓国エンターテイメント界の奥深さを感じます。
ちなみに、脚本は僕がどハマりした「マイディアミスター 私のおじさん」を書いたパク・ヘヨンさん。1972年生まれの女性。
かなり大雑把に言うと、同世代。
だから共感できるのかな。。
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印象的な場面はたくさんあります。
4人にも明と暗があれば、輝かしい場面もあれば、ターニングポイントもある。
言葉に出すと、大したことがないとも言える場面。だけど、ドラマ全体の文脈からすると得難い場面。
不思議なドラマです。
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以下、ネタバレ含みます。
ネタバレと言えるかわからないけど。。
語りたいこと、たくさんあるけど、Netflixで公式に出ている場面のことを。
末娘のミジョン。
大手カード会社の派遣社員。
実家のある地方都市から長い時間をかけての通勤。
実家の農業も手伝う。
会社では同僚から見下され、上司からは陰湿なイジメ。
社員の親睦を深めるためのクラブ活動へ不参加としていたら、参加しろと再三指導を受けている。
過去、恋人だった先輩にお金を貸したけど返してもらえず。
自己肯定感が低く、つらい日常をおくるミジョン。
実家の仕事を手伝う謎のアル中男に突然声をかける場面。
この「あがめて」が韓国国内で話題になったそうです。
インタビューによれば、「あがめて」は「絶対肯定」という意味だそうです。
あなたは、私にとって恋人になる条件があるから恋人になるという条件化された関係から解放された絶対肯定。
他にも、尽くすタイプの長女、地方都市出身であることに大きなコンプレックスをもつ長男。
謎のアル中男。
それぞれの苦悩と再生の物語。。
音楽も素晴らしいです。