森内俊之名人(41)に羽生善治二冠(41)が挑戦する第70期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛)は10日、東京都文京区の椿山荘で開幕する。前期は4連覇を目指す羽生に挑戦した森内が、3連勝3連敗後の1勝という劇的な展開で、4期ぶり通算6期目の獲得を果たした。今期は羽生がA級順位戦を9戦全勝で駆け抜け、リターンマッチを挑む。前期に続く永世名人資格者同士の対戦。


(ネットニュースより引用)



森内名人は、昨年の秋頃から勝ち星がなく11連敗で、名人戦直前の対局で勝ちようやく連敗を止めました。昨年度の勝率は3割台です。王位戦リーグは全敗でした。お世辞にも調子がいいとは言えません。


対する羽生二冠は、好調さを維持しています。昨年度は名人、王座を失いましたが、棋聖、王位を保持しています。決勝で渡辺竜王に勝ってNHK杯に優勝し、初の名誉NHK杯選手権者にも輝きました。昨年度の勝率も7割弱で、渡辺竜王を抑えて最優秀棋士賞を受賞しました。


こうやって見てくると調子の差は歴然としていて、森内名人に勝ち目はないように思えます。しかし森内さんは名人戦のスペシャリストです。1年間かけて研究してきた新手を、名人戦、A級順位戦でぶつけてきます。それが永世名人資格獲得やA級順位戦での8割弱の高勝率に表れています。名人戦では、他棋戦とは別人のような強さを見せます。


ただ新手、研究手を繰り出して局面を有利に展開しても、その後に手が続かないと勝ち切れません。また7局の内数局で新手、研究手が出て勝っても、後の対局に負ければタイトル防衛はできません。昨年の竜王戦で角換わりのスペシャリストの丸山九段が新手を出してきましたが、逆転され、4勝1敗で渡辺竜王が防衛しました。森内名人が一局の将棋、あるいは名人戦を通じて一時的に有利に立っても、最終的には羽生二冠が逆転するのではないでしょうか。


第1局で羽生二冠が勝てば羽生ペースのまま推移し、4勝1敗か4勝2敗で羽生二冠が名人奪取、第1局で森内名人が勝てばもつれながらも最後は4勝2敗か4勝3敗で羽生二冠が名人に返り咲くように思われます。



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真 実(シンジツ)