その後もちょこちょこと連絡を取りたいという男性が現れた。

ちょっとした挨拶を交わすところまでは進むが、真偽の判定に慎重になってきたせいか、少しでも「ん?」と感じるとそこでストップすることが続いた。「もう騙されるもんか」の気持ちである。

 

そんな中、更に怪しい案件2人目のジェフリー(と名乗る男)である。

車のディーラーでシドニー在住。スーツ姿の写真がいかにも「仕事できます」と映る。

ジェフリーは、すぐにメッセージングアプリには切り替えることはせず、メールで自分のことを伝えてきた。

事業は順調で、シドニー郊外に別荘も持っているという。

なんとなく、堅実な印象を受けた。

メールのやり取り3往復くらいの後、そろそろビデオチャットで話す方向に持っていこうか、と思った矢先。

 

「仕事でドイツに行く。途中、日本の空港で会わないか」と言ってきた。

ここで真偽スイッチ作動である。

コロナ禍まっただ中、日本国内の移動でさえ憚られる。

勤務先では県外への移動さえ控えるよう通達が出ている。

 

頭の中でアラーム音が鳴り続ける中、一応、の確認をする。

・何月何日何時に日本の空港に着くのか

・日本のどの空港に着くのか

・乗り継ぎ(空港滞在)時間はどれくらいあるのか

 

するとジェフリーは「数日中には日本に寄るけど、細かいことは決まってない。空港に着いたら連絡するから、君はすぐに空港に来ればいい」的なことを言う。

日本、どんだけ狭いと思ってんだよジェフリー(怒)

 

あー、こいつもアウト。

クロ決定と思いつつ、試しに追加の質問をする。

日本は今、コロナ禍で国内の移動さえ難しいんだけど、オーストラリアから海外への渡航はできるの?

それともオーストラリアでは、自動車販売業って特別な措置に該当する職業なの?

 

コロナ禍という、かつてない封鎖状況に世界中が四苦八苦しているタイミングで「仕事で海外出張なんだよ〜」と言われても、はいそうですかとは(今の私には)言えない。

察するに、空港に着いたけどトラブルで入国のために金がかかるから立替えてほしい、とかなんとか言って金を引き出す手口なんだろう。

こんなやり取りに引っかかると思われたか、と情けなくなった。

いや、少し前なら引っかかっていたんだろう、私。

 

試しの追加の質問の後、ジェフリーからの連絡はパタリと途絶えた。

やっぱりね、お前もか。である。