こんにちは。自治体法務研修講師の奥田泰章です。今日も住民監査請求のお話が続きます。


住民監査請求が提出されると、監査委員による要件審理が行われます。要件審理は、住民監査請求が所定の適法要件を満たしているか否かを検討するため書面審理で行われます。


適法要件は、①実体的要件と②手続的要件に分けることができます。


実体的要件には、①監査請求人が当該地方公共団体の住民であること、②対象とされた行為が所定の財務会計上の行為又は怠る事実であること、③対象とされた行為が当該地方公共団体の執行機関又は職員のものであること、④住民監査請求が提出された行為の日から1年以内になされたこと(正当な理由がある場合を除く)などがあります。


他方、手続的要件には、①所定の記載事項が記載された監査請求書が提出されていること、②監査請求書に事実証明書その他の必要書類が添付されていることがあります。


実体的要件が満たされていない場合、監査請求人がこれを補正することは不可能なので、住民監査請求は不適法であるとして却下決定が行われます。


これに対し、手続的要件が満たされていない場合、監査委員から監査請求人に補正指導(処分性のない行政指導)が行われます。


監査請求人が補正しなかった場合、住民監査請求は不適法であるとして却下決定が行われます。監督請求人が補正した場合、住民監査請求は適法であるとして受理され、本案審理が行われます。


住民監査請求の受理日は受付日に遡ります。受付日の翌日から起算して60日以内に監査結果の決定が行われなければなりません(地方自治法242条6項)。


要件審理は迅速に。


☆日本経営協会関西本部の行政管理講座「わかりやすい住民監査請求の実務」は、住民監査請求の受付から監査結果の決定までの全手続についてパワーポイントの図表で解説するとともに、複数の事例に沿って弁明書や監査結果決定書などの書面の書き方についても解説します。2日間9時間の講座です。令和4年度は6月14日-15日に開催予定です。自治体の研修にオンラインでご利用ください。ただいま申込み受付中です。

http://www.noma-front.com/NOMA_PDF/kansai/60018003.pdf