それ、プチ依存かも?気づかぬうちに心を蝕む危険な兆候3選

 

仕事の合間に、ついSNSを漫然とスクロールしてしまう。夜になると、やめようと思ってもゲームに没頭してしまう。ストレスが溜まると、無性にお菓子が食べたくなる。こうした日常の何気ない習慣に、心当たりはありませんか?

「ただの癖」「ちょっとした楽しみ」だと思っていたその行動が、実は心を蝕む「プチ依存症」の入り口だとしたらどうでしょう。この記事では、心理学者マーク・グリフィス氏が提唱する「依存症の6つの構成要素」といった学術的フレームワークに沿って、深刻な問題になる前に自分の習慣を見直すための、シンプルかつ重要な3つの危険信号をご紹介します。

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1. 「もっと、もっと」と量が増えていないか?(Tolerance)

最初の兆候は、心理学で「耐性(Tolerance)」と呼ばれる現象です。これは、ノッティンガム・トレント大学の研究でも指摘されているように、以前と同じ量や時間では満足できなくなり、無意識のうちにその行動の量や頻度が増えてしまう状態を指します。

例えば、以下のような経験はありませんか?

• 以前は30分のゲームで満足できたのに、今では2時間やらないと物足りない。

• 満足感を得るために、以前より多くのコーヒーやワインが必要になった。

• かつてはたまに返信があるだけで嬉しかったのに、今では恋人から20分以内に返信がないと不安になる。

これは、脳がその刺激に慣れて感度が鈍くなり、同じ快感を得るためにより強い「投与量」を求めるようになっている、極めて重要な警告サインです。

刺激に脳が慣れちゃって感度が鈍っちゃってる状態。これが一番分かりやすい危険信号です。

もちろん、運動のように量を増やしていくことがポジティブに働く「良い耐性」もあります。しかし、多くの日常習慣では、この耐性は危険な兆候です。

これに対する対抗策は、量を減らし「感覚を研ぎ澄ませていく」ことです。例えば、飲むワインの量を減らし、その分一杯の質を高めて深く味わう。このように量より質を重視することで、満足度を高めつつ依存のリスクを回避できるのです。

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2. 楽しみのため?それとも「逃げ」のため?(Mood Modification)

2つ目のサインは、その行動の「動機」に隠されています。これは心理学で「ムードモディフィケーション(気分の変化)」と呼ばれる現象で、あなたがその習慣を心からの楽しみのために行っているのか、それともストレスや不安といったネガティブな感情から「逃げる」ために行っているのかを問うものです。

後者の場合、非常に危険です。ネガティブな感情に対処するために特定の行動を繰り返すと、脳はその行動を「生存に不可欠なもの」と誤認識し、「インセンティブ・サリエンス(誘因顕著性)」と呼ばれる強烈な欲求を生み出してしまいます。

• 味を楽しむためではなく、ストレスから逃れるために「食べる」という動作自体を目的としてスナック菓子を食べ続ける。

• 香りや味を嗜むのではなく、酔って現実から逃避するためにアルコールを飲む。

• 自分の自信のなさや辛い現実から目をそらすために、恋人にひっきりなしに連絡する。

このように、主な目的が「逃避」である行動は、極めて高い確率で依存へと発展していきます。

ただし、これを逆手に取ることも可能です。何かを「逃げ」に使うのではなく、難しいことを達成した後の「ご褒美」として設定する。そうすれば、その行動をポジティブな動機付けとして健全に活用することができます。

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3. やめてみると、そわそわ・イライラしないか?(Withdrawal)

3つ目のサインは「離脱症状(Withdrawal)」です。ケント大学の研究などでも示されているこの兆候を確かめる方法は簡単です。いつもしているその習慣を、試しに一度やめてみるのです。最低1日、できれば1週間やめてみるのが理想的です。

その時、あなたの心にどんな変化が訪れるでしょうか。もし、イライラしたり、そわそわして落ち着かなくなったり、そのことばかり考えて頭から離れなくなったりするなら、それは軽度の離脱症状が出ている証拠です。

この心のざわつきは、薬物やアルコール中毒者が経験する身体的な震えと本質的に同じ「心の震え」だと指摘します。

SNSを見ないとそわそわする、ゲームをしないとイライラする。その心の揺れは、薬物中毒者の手の震えと同じ「心の震え」なのです。

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「もっと」と量が増える耐性。不安から逃げるための動機。やめると不快になる離脱症状。この3つのサインは、日常に潜む危険な習慣を見つけ出すための重要な手がかりです。

あなたの日常に隠れている「プチ依存」の芽はありませんか?今日から一つ、自分の習慣と向き合ってみてはいかがでしょうか。