顧客から経営に関する相談を受けた場合、私達コンサルタントは「何か良いアドバイス」はないかと思考を巡らします。
もちろん、アドバイスなど「しっかりしたもの」ではなく、「何かヒントのようなもの」でも構わない。とにかく、何かきっかけを絞り出さなければならない。
この何かを絞り出すとき、コンサルタントは、ただ闇雲に考えているわけではない。実は、頭の使い方には、スキルがあるのだ。
この思考の技術を、このブログで紹介していこうと思う。
今回は初回なので、最も基本的なスキルを紹介したい。
そのスキルとは「マトリックス」だ。
マトリックスとは4マス(2×2)~9ます(3×3)の表の形で、現状を整理する技術だ。
例えば、縦軸に緊急度の高いもの、横塾に経営資源をプラスするものとマイナスするものをマトリックスにすると次のような4つの象限が現れる。
第1象限 緊急性が高く、経営資源を増やすもの
第2象限 緊急性が低く、経営資源を増やすもの
第3象限 緊急性が高く、経営資源を減らすもの
第4象限 緊急性が低く、経営資源を減らすもの となる。
これで思考が整理されていくのが分かるだろう。
つまり、上記のマトリックスは次のように意味づけされる。
①早急に、テコ入れすべき施策・事業は何か。
②将来、力を入れるべき施策・事業は何か。
③早急に、止めるべき施策・事業は何か。
④徐々に、撤退するべき施策・事業は何か。
これを経営者層と一緒に整理していくことで、多くの情報が整理される。経営者のみなさまには、一度試して欲しい。
ちなみに、②の分野に何の施策も入らない企業は、「魅力のない企業」であることに、気づいて欲しい。