予防保全について、考えたいと思います。

その対義語として、事後保全があります。

 

用語について確認すると、

・予防保全とは、

施設の機能や性能に不具合が発生する前に修繕等の対策を講じること。

或いは、損傷が軽微なうちに修繕を行うこと。

 

・事後保全 とは、

施設の機能や性能に不具合が生じてから修繕等の対策を講じること。

或いは、損傷が深刻化してから大規模修繕を行うこと。

 

となります。

 

公共インフラ整備で見た場合、

安全性、利便性、経済性等々の様々な面から、

事後保全にするのか、予防保全として対応して

いくのか、検討されていると思います。

 

でも、一番は、費用の問題です。

税収は様々な予算に振り分けられます。

高度成長期のように、公共工事に多額の資金を投入するわけにもいきません。

 

更新の抑制等によるライフサイクルコストの

縮減、公共財ストックの長寿命化を図ることが求められる時代です。

 

■では、分譲マンションにおける予防保全、事後保全はどうでしょうか。

 

予防保全は、長期修繕計画によって、

区分所有者に意識づけられます。

 

建物・設備に関して、

どのような修繕項目があり、

その修繕項目ごとの修繕周期を知り、

必要な資金計画を立てます。

 

問題はここからです。

分譲当時の長期修繕計画は、その物件独自の計画ではありません。

5年後ごとの見直しが推奨されていますが、

 

特に、1回目の長計見直しでは、そのマンションには該当しない項目が見つかったりするケースがあります。

それを基に資金計画が立てられていたことに、

不安や不満の声が上がったりします。

 

長期修繕計画に記載された金額、

区分所有者の中には、実際の工事見積金額と考えている方がいたりします。

実際は、計画予算を立てるための概算金額です。

 

なので、実施が近づいた際には、見積取得して

その内容と金額を確定していかなければなりません。

 

長期修繕計画、

それだけを頼りに、予防保全として修繕周期ごと

に修繕を繰り返すことが、本当に資産価値を高めることにつながるのでしょうか?

 

資金の慢性的な不足に陥ったマンションを、誰が買いたいというのでしょうか?

 

長期修繕計画は、

・過去の実施項目の検証

・将来の計画への検証結果の反映

・資金計画とのリンク

 

これらの検証・検討の繰り返し無くして、

将来不安なくマンションという集合住宅に住み続けることは

難しいのではないでしょうか?

 

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受益者負担という言葉、

よく使う機会のある言葉でしょうか?

耳馴染みのある言葉でしょうか?

 

この言葉、費用負担を伴う形で実感する場合があったりします。

 

具体的事例としては、公共下水道の整備工事に

伴い、建物・土地所有者に求められる「受益者負担金」という場合です。

 

公共下水道への接続は、下水道法で一定の猶予期限はあるものの、義務とされています。

 

「受益者負担の原則」ですが、

公共財の整備、ここでは公共下水道の整備になりますが、

全てを税金で賄うと、サービスを受ける者と受けない者との不公平が生じるとして、

サービスにより利益を受ける特定の方に、受益の範囲内で、使用料や手数料などを

負担してもらう、とした場合の考え方です。

 

地方自治体の税収は限られています。

特定の事業だけに特化して資金を集中させるわけにはいかない事情があるように思えます。

 

公共インフラは整えていかなければならない、

でもその財源は?としたときに、

「受益者負担の原則」による財源捻出だったのではないか、とも思えます。

 

説明によって、住民の理解がある程度得られ、費用負担にも応じてもらえるものとして

「受益者負担の原則」が引き合いに出されたように思えます。

 

下水道の話は、この辺で止めることにします。(また別の機会に・・・)

 

では、マンションという共同住宅で、

管理組合が行う建物設備の維持・管理に

おいて、「受益者負担の原則」という考え方は成り立つのでしょうか?

 

例えば、

・屋上の防水処理は最上階の人が行う。

・エレベーターの修理は、2階以上の人が行う。

・駐車場の外灯取替やアスファルト舗装は駐車場契約者が行う。

 

などといった考え方です。

 

上記の中から、エレベーターについて見てみると

1階住戸の方は、エレベーターを使い機会はほぼありません。

 

理事になって初めて上階にあがった、なんて方もいらっしゃるくらいです。

 

エレベーター設備を安全に使用し続けるためには、点検が欠かせません。

長期修繕計画上も、更新の際にはかなりの金額支出を伴います。

 

そんなお金のかかる設備を、1階の区分所有者はほぼ使う機会がないのです。

 

なので、1階の区分所有者の中からエレベーターを使わないのだから

ほかの階の住戸より管理費等を安くすべきだ、という方が出て来たりすることがあります。

 

このとき、「受益者負担の原則」の考え方が引き合いに出されたりします。

 

エレベーターは、給排水設備や配管等と同じように高層住宅には不可欠な設備です。

1階部分及び2階以上の部分とも建物と一体となった設備です。

その維持や補修に際しては、建物全体に影響を及ぼすことになります。

 

マンションの共用部分、それは区分所有者全員の財産であるというのが大前提です。

建物や敷地の維持・管理に必要な費用を区分所有者全体で負担するのは当然です。

 

では、その負担割合について考えた場合

共用部分の利用の仕方については、各区分所有者の利害は必ずしも一致しません。

よって、共用部分から受ける利益の程度を、管理費等に全て反映させることは不可能なのです。

 

共用部分に対する各区分所有者の利害損失は、建物全体に影響を及ぼすことの場合、

ある程度それを無視することもやむをえないとする考え方が一般的です。

 

なので、「受益者負担の原則」を、管理組合が行う建物や敷地の維持・管理に適用するのは

難しいと言わざるを得ません。

 

 

 

 

分譲マンションの区分所有者の中には、

最初から賃貸を目的として購入する方もいます。

 

あるいは、

新築時は入居し、ある一定年限居住した後、賃貸に出す方もいらっしゃいます。

 

その所有者は、別のマンション、或いは戸建てに引越しをされることになるわけですが、

管理組合への届出をついうっかり忘れてしまいがちです。

 

マンション購入時、様々な手続き書類の提出を

求められ、それに応じてきたと思います。

 

ですが、引っ越して自分がそのマンションには

住まなくなると、管理組合に対する意識も希薄になるように思えます。

 

管理費、修繕積立金等の引落し口座に変更が

なければ、管理会社の方も、引越し先を確認し続けることなどしません。

 

では、管理組合はどうでしょうか。

管理組合に、区分所有者の移転先を調べる義務はありません。

 

区分所有法第35条第3項に、

「区分所有者が管理者に対して通知を受ける

場所を通知したときはその場所に、これを通知

しなかったときは区分所有者の所有する専有部

分が所在する場所にあててすれば足りる」としています。

 

したがって旧住所に総会開催の案内を郵送し、

「転送先不明」として返送されてきたとしても、

管理組合の責任はそれで果たしたこととなり、

それから先は個々の組合員の問題ということになってしまいます。

 

仮に、重要な議案、例えば、管理費、修繕積立

金の大幅な値上げ議案が総会に諮られ、僅差で承認されたとします。

 

移転先住所届出を忘れた外部区分所有者が、

自分には総会案内が来なかった、

自分がその総会に出席していたら、

反対意見を述べていたら、その議案は否決されていたかもしれない。

 

だから、自分は、管理費等の値上げには従わない、とは言えないのです。

 

マンション標準管理規約

(規約及び総会の決議の遵守義務)

第3条1項 区分所有者は、円滑な共同生活を

維持するため、この規約及び総会の決議を誠実に遵守しなければならない。

とあります。

 

総会に参加できなかった不利益は、正確な移転

場所を届け出なかった区分所有者が負わなければなりません。

 

移転先への変更届出は忘れないうちに、早めにしたいものです。

 

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約2ヵ月、アメブロへの記事投稿が止まっていました。

一端筆が止まってしまうと、なかなか書くことが億劫(おっくう)になっていたのかもしれません。

自身、何らかの言い訳をつけて、一日延ばしにしていたように思います。

 

実は、この期間、個人的にはとても大きな変化がありました。

それまでには叶わなかった2つの事を実行し、

それなりのところまで到達できた感はあります。

 

1つ目は、自分自身で、本格的なホームページを作成し、WEB上に公開するということ。

2つ目は、新らたに個人事務所を開設するということです。

 

(1)ホームページに関してですが、

以前、IT関係に詳しい方にお願いして

ホームページを作成してもらったことがあります。

作成時は、それなりに満足のいく内容でしたが、

情報の更新を常に行わないと、すぐに「時代遅れ」に感じられるようなものになってしまいます。

 

自分でこまめに更新すべきなのですが、

自身、ホームページに関する知識が全くありませんでした。

 

どこをどのように修正していいのか? 

全くわかりませんでした。

誤った入力をしたら、既存データが消えてしまい、元に戻せないのではないか?

 

そんな思いばかりが先行し、全く手つかず状態でした。

 

そんな既存のホームページを今年3月に閉じました。

 

それから悪戦苦闘(?)しながら、約8か月

やっと、自分が伝えたいことを余すところを

もれなく盛り込んだホームページが完成しました。

 

 

今回のホームページは、自分で作成したもの

ですから、更新も修正も自分の思いのまま(?)です。

 

自分が伝えたいことを、やっと形にできたと思っています。

 

(2)新事務所の開設について

昨年までの社会環境であれば、2020年は東京

オリンピックが行われていたはずで、話題は

そのこと一辺倒だったはずでした。

 

ところが、年が明けて見れば、未曽有の事態に直面した1年になってしまいました。

 

そんな中にあっても、

自分が今できることは何なのか、

自分が今向き合うべきことは何か、

を考え続け、一歩でも前に進むために選んだことが、新事務所の開設です。

 

今は、3密を避ける、

ソーシャルディスタンス(フィジカルディスタンス)

が求められる、そんな社会情勢ですが、

 

マンションという集合住宅では、管理組合の運営は、個人単独ではどうにもなりません。

 

新たな取り組みにもチャレンジしながら、

目先のことだけではなく、建物の将来も見据えた

取り組みが、今後ますます必要となって来ます。

 

そのお手伝いをする「情報発信拠点」にしたいと考えています。

 

集合住宅である分譲マンションにおいて、

使用細則は居住者の日常生活にかかわる大切なルールです。

 

より多くの組合員に、細則を理解し守ってもらうことが必要となります。

 

そんな使用細則ですが、マンション新築時から

将来を見据えて、あらゆる細則が定められているわけではありません。

 

細則の原案を作るマンション販売会社側も

多くの細則案を作ることは、規則でがんじがらめの印象を与えますので

必要最小限に留めるものと思われます。

 

ですが、実際に管理組合が立ち上がり、

時間が経過してくると、様々な問題が表面化してきます。

 

そのとき、個々の事案ごとに理事会が

1から対応を検討していては、理事会の機能はマヒしてしまいます。

 

そこで、ルールがない場合には、ルールを作って

対応しようと考えるのは自然な流れです。

 

今回は、管理規約がマンション標準管理規約に

準拠していることを前提にしてこの先の話を進めます。

 

使用細則等の制定に関する手続きは、管理規約の定めに従うことになります。

 

■国交省作成のマンション標準管理規約には、

使用細則等の制定または変更を行うためには総会決議が必要としています。

 

マンション標準管理規約 第48条(議決事項) 

<抜粋>

次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。

四 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止

 

 

■理事会には総会議案を作成する権限が与えられています。

 

マンション標準管理規約 第54条(議決事項) 

<抜粋>

理事会は、この規約に別に定めるもののほか、次の各号に掲げる事項を決議する。

二 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する案

 

マンションの使用については、

マンション標準管理規約 第18条(使用細則)

対象物件の使用については、別に使用細則を定めるものとする。

 

と規定していて、対象物件の使用に関する事項

については、同条に基づき細則を制定することができます。

 

では、対象物件の使用に関しない事項について細則を定めようとした場合、

その制定の根拠となる規定が第70条(細則)です。

 

マンション標準管理規約第70条(細則)

総会及び理事会の運営、会計処理、管理組合へ

の届出事項等については、別に細則を定めることができる。

 

この条文によって、管理組合の総会および理事会の運営、資金管理、会計処理、管理組合への

届出事項、役員の選任、文書の保存等、管理組合の管理・運営に必要とされる各種細則を

第70条に基づく形式をとって制定することができます。

 

■理事会が細則(案)を作成し、総会承認を得て初めて細則として効力を発揮するわけですが、

 

理事会としては、あらゆることを想定して細則を作っているわけではありません。

 

実際に総会承認されて施行すると思わぬ問題点が出て来たりする場合があります。

 

そうならないために、理事会は事前にその効力を確認したくなります。

そこで暫定運用だとして、理事会決議だけで

使用細則を制定したり、あるいは変更したりするケースがあります。

 

これは、管理規約違反となります。

 

■では、想定外の問題点が生じる事態を避けるために、どうしたらいいのでしょうか。

 

まずは、理事会で使用細則案を作成し、その案を組合員に配付し意見を求めてください。

 

次に、その意見に基づいて修正した使用細則案で総会決議に諮ってください。

 

この手続きの中で、反対意見が多く、その反対意見の意図を充分にくみ取った修正案の作成

が難しいようであれば、総会とは別に、事前説明会の開催が必要なのかもしれません。