私が仕事から帰っていつものようにご飯の支度をしようとすると
「料理手伝おっか?」と言ってくれた次男
「料理手伝おっか?」と言ってくれた次男
ありがとう~ うれしい! 助かるよ~
二人で並んで料理を作りはじめた
お母さんがお肉出そうか?また手洗わんといけんくなるやろ?
「いやいい 将来は自分一人でなんでもせんといけんから オレが自分でやるよ」
“将来は自分一人で”
何気ない言葉なのだけど、私にはとても心に響いた言葉だった
旦那も帰って来て、ご飯を食べながら一緒にテレビでニュースを見ていると、長男のいる県に緊急事態宣言が出されていて、それを見た旦那が言った
「長男がもしコロナにかかって、入院なんてことになったら、俺か母さんが仕事休んで行ってやらないかんかな…」
すると次男が
「それはオレしかおらんやろー父さんも母さんも仕事休んだら生活に支障がでるし、体力的にもオレが行くのが1番やろ」
私はその言葉を聞いて、驚いたとともに次男の家族への気遣いや優しさを感じ、とても嬉しくなった
コロナ以前は様々な疾病恐怖でなかなか外出できずにいた次男
今日学校に行かないと留年するからと追い込まれ、嫌々ながらに外出していた
外出前後のシャワー、無口になり暗い表情
そんな次男から
“将来は自分一人で”
“オレが行くのが1番やろ”
コロナが世界中で蔓延し、パンデミックが起こっているのに、以前より強迫性障害の症状が良くなっている
強迫性障害に詳しい心理療法士の先生に次男のことを相談していた時
「コロナが流行っている今がチャンスです。正しく怖がるということが大事です」
と言われ、チャンスなの?正しく怖がる?どうやって?と思っていた
強迫性障害の治療法は、強迫行為(次男の場合は手洗いやシャワー)を我慢するだけではよくならない
強迫性障害の治療で家族からの促しは、正しいやり方で本人が納得し、自らが治したいと本気で思わなければ、かえって悪化させたり、家族関係も悪くなる
振り返ってみれぱ、強迫性障害と不登校に悩む次男に
「頑張って克服しよう!」
「今頑張れば将来楽になるよ!」
と、以前はただただ発破をかけてかえって次男に辛い思いをさせていたように思う
次男の為と言いながら自分の為
次男が強迫性障害が治れば自分が楽になる
そんな思いもあったと思う
「母さんも強迫性になってみればわかるよ!オレがどれだけ辛いのか…」
その度に言われていた言葉
日に日にコロナ感染者が増えていくなか、次男はネットでコロナに関するニュースや専門家の記事を読んで、私に教えてくれる
「WHOがね、コロナウイルスは、手紙や荷物のような物で長時間生き残ることができないって言ってる ウィルスは生き物に寄生しないと生存できないんだってー」
こうして正しい知識を自分で確認して、認知のゆがみを自分で少しずつ正しくしているのだろう
夕食を食べ終わる頃、旦那に今日の夕食は次男がほとんど作ったって言ったら
「どうりでいつもより美味しいと思った!!」
・・・ それってどういう意味~?
「いや…あのさっ いつもより丁寧な感じというかさっ 次男は上手に作るよねっ」
私達の会話をおかしそうに見ている次男の笑顔がまた私には嬉しかった