20歳まで
まわりに振り回されていることに気づかずに振り回されて生きてきた。
今思うと、あまりにも弱くて、脆かった。
20歳前半で
自由を知り、友を知り、自分の表現をみつけることができた。だから弱くても別に構わなかった。
20歳後半、
大人になるために、全てをかけて社会と関わる道を探したが、辺りは藪だらけでこれ以上藪をかき分けて進むことなんてできなかった。
悪魔に魂を売ってでも、力が欲しかったけども、悪魔はやはりいなく(神もいなく)、小さい頃よりも身体の大きくなったわたしがいるだけだった。
仕方がないので、とりあえず、本でも読むことにした。
食べていくため、自立するため、何もできなかった自分を罰するため、ボロボロになるまで働いた。
身体はよくできたもので、ちゃんとボロボロになった。
35歳
ボロボロになった自分を鏡で見て、急に死ぬのが怖くなって(死ぬほどのものでは当然ないのだけど)、ちゃんと生きようと思った。
ちゃんとした食事を作り、睡眠の時間を確保し、できる限り身体を冷やさないようにし、適度な運動を心がけ、ストレッチで柔軟性を保ち、ブラッシング以外にプラークコントロールを意識し、甥っ子たちを可愛がった。
ふと周りを見渡すと、自分より強いものよりも弱くて脆いものの方が多かった。
基本的には、みんな、弱くて脆いのだと知った。