「天才の幼少期の家庭環境は、どんなものだったのでしょうか？」

天才発見！となると、

必ずそののち、そのテーマでTVが追う。。。気がする。

リストは、エピソードがあまりにも有名で記述の必要もないけれど

あえて、年齢が１歳しか離れていないショパンと比較記述してみる、、、

＜リスト＞の幼少期の音楽環境　　

チェロ、ピアニストである父親と苦労人の母との間の一人っ子

宮廷音楽家として仕えていたこともあった父の影響で

ベートーヴェンへのリスペクトが深く、自然と音楽に触れる環境だった

室内楽をたしなむ父が奏でるピアノ音

男性が奏でるその手の様子を、毎日食い入るように見聴きしていた

小さな頃は、病弱な時期もあったのだけれど、

早くに息子の才能に気づいた父親は、ピアニストとして出世への道を後押しした

ベートーヴェンに褒められ、チェルニーに弟子入りし、順調な黄金神童ロード

10歳のパリデビューを皮きりに、天才少年がヨーロッパ中を席巻するのに

年月は掛からなかった　

ハンガリー出身とはいえ、ドイツ語エリアでの生活は当然ドイツ語

子供の頃、耳にしたのはドイツ語のアクセント

パリ音楽院に外国人であることを理由に入学を断られたことはあったが

父を早く亡くすことになるまでは、大きな苦節はなかった　　　

それに対して

＜ショパン＞の幼少期の音楽環境　

ショパンは、姉一人妹二人に挟まれた唯一の男の子

母、姉の弾くピアノと子守歌を聴きながらの成長

子守歌が大好きだった

あのジェラゾラヴォラのショパンの生家の周りの

鳥や虫、カエルの声は、ほんの赤ちゃん時代に聴いた自然音

感性が強すぎてピアノの音に泣いたというショパン

物心ついてからのショパンは、ワルシャワのサスキ宮殿に移住してからの

公園の森の木々のざわめきや頬をなでる優しい風に、

痛く感傷に浸ることが多かったのだろう

飛び回るリスの身の軽さは、ショパン少年に何を考えさせたのか

ピアノを触るようになった頃は、どうしてピアノはこんな音がするのか

深く考えなかったわけはないと想像する

ショパンのお父さんはフランス出身＆フランス語教師だったが

あくまでポーランド語を大事にしていた

そして息子には音楽だけでなく

それ以外まんべんなく学ぶことを望んでいた

ショパンは音楽以外には興味はなかったということらしいけれど

ポーランド語の発音余韻で育ったショパン

父親はあくまでポーランド人としての成長を願っていた。

母親が貴族出身であり、ショパンのマナーのたしなみはそこにもある。

彼が弾いていたピアノは、最初はポーランド製らしく、

そのあとウイーン式のシングルエスケープメントアクションのピアノ

ピアノの先生はといえば、初期の頃は母から、

６歳から習っていたのは、ヴァイオリニストである先生

ショパンは19歳でショパン音楽院を卒業するが、

学院長のエルスナーは、学科を自由に選択させていたとのこと

そしてワルシャワの天才児でも隣国のドイツでは無名、

訪独した際、シャイすぎてメンデルスゾーンと口もきけなかったとか。

大きく育った環境に隔たりのあるショパンとリストの幼少期

である。（諸説混じりにつき、要改訂もあるかも）

大きくヨーロッパの社会の情勢が変わっていく中

ショパンと比べリストの人生は、父親を失うという節目が随分若くにあり、

それを経験することで、経済的にも自立という目途が明確に定められた

けれど、演奏会成功とともにキャラクターグッズを売る商売上手な性格は、

仮にベースが音楽でなくても、世に頭角を現していそうである

異なる音楽環境（両親の教育方針、師）は

持って生まれた個性そのままに背中を押し、

二人をはっきりとした違う表現を魅せる音楽世界へと歩ませた

ピアノの変革とともに

それぞれの才能が作っていったピアノ演奏の世界というものは、

やがて音楽学者らや、ピアノ教師らをはじめ

ピアノの音に魅せられた人々の弾きたいという感性と知性を

大きな深い渦に巻き込んでいくことになった

こうして文字で簡単に知り得ることは、有難いものだ

が、

これは本当の大きさのほんの一部分でしかない。。。

　　　　　ピアノとハッピーピアノいう名の薔薇

　　　　色からして　あんまりピンと来ないような。。。

リストの背中に生えた指 Ⅳ

リストの背中に生えた指　Ⅳ　