●産業医の権限:
①医学的専門判断を行い、事業者に対して「勧告」できる権限。
②健康診断結果や面接指導結果に基づき、就業上の措置を意見として提示する権限。
③職場巡視・衛生委員会で改善を求める権限。
◆ 1. 産業医の法的な権限(安衛法13条・安衛則14条)
① 勧告権(安衛法13条3項)
・産業医は、労働者の健康を守るために必要があると認めたとき、事業者に対して「勧告」することができる。
・「勧告権」 は法令上明記された強い権限で、事業者はその内容を尊重し、必要な措置を講じなければならない。
例:
・長時間労働者の就業制限
・有害物質の管理改善
・夜勤配置の見直し
・メンタル不調者の休業措置
・事業者はこの勧告を受けた場合、
「勧告内容」と「事業者が講じた措置」を衛生委員会に報告する義務がある。
(安衛則22条の4)。
→ つまり、産業医の勧告は無視できない。
② 就業上の措置に関する意見権(安衛則14条1項)
・産業医は、健康診断結果や面接指導結果に基づき、
「就業制限」「作業転換」「労働時間短縮」などの意見を述べる権限を持つ。
・ 長時間労働者への面接指導結果に基づく措置意見は
過労死防止の観点から、重視される。
・事業者はこの意見を尊重し、必要な措置を講じる義務がある。
(安衛法66条の5、66条の8)。
※就業判定(就業可・制限・休業)
・健康診断結果に基づく医学的判断は、事業者が独自に覆すことができない。
(医学的専門性が必要なため)。
③ 職場巡視に基づく改善要求(安衛則15条)
・産業医は毎月1回以上の職場巡視を行い、作業環境・作業方法・衛生設備の改善を求める権限がある。
・巡視結果は事業者に報告され、必要な改善が行われるべきものとされている。
④ 衛生委員会での意見陳述権(安衛法18条)
・衛生委員会のメンバーとして、健康管理・作業環境管理・メンタルヘルス対策などについて意見を述べる権限がある。
・事業者は委員会の意見を尊重しなければならない。
◆ 4. まとめ
①勧告権(安衛法13条3項)
②就業上の措置意見(安衛則14条1項)
③職場巡視(安衛則15条)
④衛生委員会での意見陳述(安衛法18条)