榎原雅治・清水克行『室町幕府将軍列伝』戎光祥出版
「将軍」ってかっこいい響き。
最近、同名の映画も高評価だったし。
ところが!だ。
改めて室町幕府の将軍15人の経歴を読んで驚いた。
ほとんどの将軍が逃げている!
戦や政争に負けて逃げている!
初代尊氏・2代義詮は逃げている。
金閣寺を作り、天皇になろうとした(現在は否定する研究者が多い)とまで言われた義満も
実は幼少期、播磨に避難していたのだ。
4代義持は逃げていないが、親父に廃嫡されそうになる。
5代義量 満17歳で没
6代義教 家臣に殺される
7代義勝 満9歳没
8代義政 逃げていないが応仁の乱の原因
9代義尚 逃げていないが遠征先の近江で死亡
10代義稙 そもそも各地を転々とする。将軍になってもクーデターを起こされ
各地を転々とする。退位させられたのに復帰したのはすごい
11代義澄 伊豆から出てきて将軍になるも追われて近江へ
12代義晴以降はもう将軍なのに京都にいない・・・。
ちなみに13代義輝は京から逃亡するし、最後は家臣に殺されるし・・・。
将軍になるのも大変だけど、なってからも・・・。
マンガで鎌倉幕府最後の執権北条高時の息子・時行が、
幕府再興を目指して室町幕府に戦いを挑む『逃げ上手の若君』という作品がある。
戦う相手は、室町幕府を創った足利尊氏・直義なのだが・・・
足利家も相当な逃げ上手なのでは!?
京都から九州まで移動するのって、現代でも大変なのに
どうやって実行していたのだろう!?
そして「将軍」という貴種に対する特殊性よ。
殺しても必ず代わりの「足利」を探してくる。
俺が将軍に!とはならないところの不思議さ。
ここが日本史の面白さでもあり難しさでもあるんだよな・・・。