手の甲あたりに気味悪いコブができ、医者に見せに行ったら「あっ、これはガングリオンですな」っと言われたら大抵の人はドキッとすることでしょう。なにしろ名前が悪すぎます。命取りの「ガン」に「グリオン」といういかにも恐ろしそうなものが付いているわけですから。


「シュ、手術で、ですかぁ」と力なく聞くと「いやあ どっちでも」という間の抜けた答えに事態は大したことないと悟るわけです。


ガングリオンはガンとは全く関係のない良性のコブで心配はいりません。ギリシャ語で神経節という意味です。末梢神経は神経細胞の本体が入った結節がたくさんありますがそれに外観が似ているためにそう呼ばれることになりました。


20~40代くらいの女性に多くみられ手の関節にできることが多いようです。コブの中身はゼリー状の粘液です。放置していても自然治癒することもありますが、美容上の問題や、まれですが痛みやしびれを伴うときは注射針で中身を吸引除去しそのあとは少量のステロイドを注入しておきます。ただし再発を繰り返す場合は袋もろとも手術で切除します。