映画が終わったあと、何から書けば良いのか、
久しぶりに分からなくなった。

昨年まで、私の「尾崎豊」のイメージは、「盗んだバイクで走ったり、校舎のガラスを破る歌の人」と、浅くしか知らなかった。

しかし昨年ある番組で、尾崎豊と親しかった人々の思い出話を聴き、俄然興味を持った。
「もしドキュメンタリー番組などあったら是非見たい」と思っていた数ヶ月後、映画の事を知った。

映画は、デビュー〜ある年代までの尾崎豊の姿を見せてくれた。

以前から歌が上手いとは思っていたが、改めて聴いてみると上手いだけではなく、詩の情感が強く伝わってくる。
彼の歌をカバーする歌手は多いが、歌詞の情感まで完全に伝えられるのは、尾崎豊しかいないと思った。

そして、カメラに映る彼は本当に美しかった。

少年から大人への過渡期の輝きが、私には眩しく映った。

眉目秀麗でスタイルが良く、歌も上手で素晴らしい歌詞を書く、まさに完璧なアーティスト。

しかし、カメラに映る彼は、常に満たされていないように見えた。

時折可愛い笑顔やお茶目な性格を見せるものの、本人は自らの溢れるエネルギーのやり場をいつも探しているように見えた。

今の時代に尾崎豊が生きていたらどうだっただろうと、映画を見ながら何度も考えた。