一線を退いて満65歳となったが、高校から大学時代に愛してやまなかったバイクによるプチツーリングをもう一度やりたくなって、40年以上のブランクを経て、200ccのスクーターを購入した。
バーグマン200というこのマシンは車両価格が手頃で、変速チェンジの必要もなく、体力的に衰えが迫りつつある老体にはちょうど良い重量感で、このマシンで若い頃のあのときめきを無理なくもう一度味わいたいと思った。
今回は自宅のある宮城県岩沼市からまずは陸前高田市に向かい、三陸海岸を南下する2泊3日の旅を思いたった。
自宅がある岩沼市を出発して県道10号を北上し、1時間ほど走って右に仙台港を見ていると、国道45号と交差する。これを右折して国道45号を北へ向かう、観光地松島を通過して、約1時間ほどで三陸自動車道の鳴瀬奥松島ICに着いて、三陸自動車道に乗る。
ここのICから北は無料区間なので、今日の最初の目的地である奇跡の一本松を見るために、ひたすら三陸道を北上する。
我が愛車は小排気量車であるにもかかわらず、小気味よく加速してくれ、100kmの巡航も軽々とはいかないが、よく走ってくれる。
陸前高田長部ICを降りて、国道45号を北上して約10分で有名な奇跡の一本松のある東日本大震災津波伝承館に到着した。
伝承館から奇跡の一本松までは600~700m程歩かなければならない。
一本松の近くに津波で崩壊した鉄筋コンクリート建ての旧陸前高田ユースホステルが残されており、これらを見比べると「柔よく剛を制す」といった言葉が浮かぶ。
東日本大震災津波伝承館から国道45号を南下して陸前高田長田ICから再び三陸自動車道に乗って、気仙沼大島を廻るため、気仙沼鹿折IC(一番近い浦島大島ICには南下方向には出口がない)から県道218号に出て、気仙沼大橋を渡る。
大島気仙沼航路の発着所のある浦の浜漁港を右手に見ながら進み、休暇村の矢印看板どおりに左折して暫く行くと、亀山山頂という看板があり、そこから登り坂を数百m行くと左側に駐車スペースがあるが、ここが展望台の駐車場となっている。
展望台へは徒歩で約10分ほど行くと到着したが、老体の身では息があがり、汗まみれとなった。
ここからの気仙沼湾の景観はちょっと感動する。
県道218号に戻り海側に左折して、海岸方面を走る。
大島の南端付近まで行くと龍舞崎の青看板があり、左折すると間もなく龍舞崎の駐車場に着く。
駐車場から徒歩約15分で気仙沼大島の南突端の龍舞崎に着く。
当日は無風状態であったにもかかわらず、岩場に打ち寄せる波が怒濤のように荒れ狂っており、恐ろしい程の音が轟いていた。
風の強いときはいったいどんなことになるのだろうと想像しただけで恐ろしくなった。
また、このあたりの松が屈曲しており、ここでの風の強さが想像できる。
気仙沼湾を左手に見ながら北上して再び気仙沼大橋を渡って、一日目の宿に着いた。
本日の走行距離は221kmであった。
二日目は国道45号を南下して、女川経由で石巻まで行く予定だが、まずは気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館 (旧気仙沼向洋高校)に向かうため、国道45号を南下し、「岩井崎」のイラスト入り案内板を過ぎて次の信号を左折する。
少し行くと伝承館への案内板があり、到着する。
4階建ての校舎の屋上から写された津波が屋上のすぐ下まで迫り来る写真を見て戦慄を覚えた。
国道45号を南下して折立漁港を過ぎてから県道398号に入る。
ここから女川まではリアスブルーラインと呼ばれ、海沿いの海岸の景色を楽しめる道となる。
南下して新北上大橋を渡ってすぐの交差点を左折すると、津波で多数の幼い犠牲者を出した旧大川小学校がある。
ここはすでに遺構として整備されており、献花台があり、犠牲者の冥福を祈る。
リアスブルーラインを南下するとたまに木立の切れ間から見える雄勝湾、御前湾、出島の景色が若干お疲れ気味の身体と心を癒やしてくれる。
女川の手前約10kmはタイトなコーナーが連続するライダーにはなんとも面白い道である。
女川からは県道220号に入るが、ここからはコバルトラインと呼ばれ、タイトなコーナーが約30km延々と連続する道である。
バイクの走り屋が結構いて、すごいスピードで後ろから迫ってくるので、その都度道を譲ってあげた。
ここは牡鹿半島を南下する道であり、鹿の文字が入っているだけあって、鹿が道を横断する場面に出会った。
衝突するとこちらの身が危ないので、あまり速度は上げられない。
半島の南端に近づくと御番所公園の案内板があり、そこを右に入って間もなく公園に着く。
ここから金華山(山ではなく島なのだ)、網地島、田代島が近くに見えて絶景である。
県道2号を一路北上して石巻市街地に向かい、二日目の宿に着いた。
本日の走行距離は181kmであった。
三日目はまず石巻市内にある石ノ森萬画館を見学した。
石ノ森章太郎氏の原画が多数展示されてり、さすが高名な漫画家の画力に関心した。
ちなみにサイボーグ007は私が幼い頃の思い出のアニメなのだ。
国道45号を南下して東日本大震災復興祈念公園に向かう。
ここには津波で水没した旧野蒜駅があり、津波で曲がった線路が見られ、その強さがうかがえる。
ここから県道27号線である奥松島パークラインで松島湾の島々の一つである宮戸島に渡った。
松島の絶景を期待していたが、島からは絶景が見られず落胆した。
やはり松島は海から船で見るのが良いようだ。
県道27号に戻り、松島町から国道45号を経由して、県道10号で岩沼市の自宅に到着した。
本日の走行距離は97kmだった。
なお、3日間の総走行距離は499kmで、平均燃費は34、5km/Lであった。
今回の旅では様々な東日本大震災遺構により、津波の強大さや悲惨さを改めて痛感した。
また、あまり期待していなかった龍舞崎の荒海の景観に圧倒された。
さらに、コバルトラインの次々と迫り来るなタイトコーナーの連続をクリアしていくことが楽しくて、若かった頃のときめきを想い出させてもらった。





