朝6時。

起床時間にすべての部屋の照明がついて、眩しさで目が覚める。

眠れていたんだという安堵でこの瞬間は嬉しい。

長い夜が終わって1日が始まるのが嬉しい。

起床の照明で目覚めることができたのは、いつぶりだろう。



しっかり眠れたけど、便秘のせいか吐き気がする。

朝食前にプリンペランを内服した。

今日は嘔吐したくない。

嘔吐しませんように。


朝食時の冷たいバナナを食べたら、胃が疲れてしまった。

苦手な飲み薬のサムチレールを飲んだ後にさらにムカムカしてしまい、シャワーの時間まで横になっていたがあまり回復しなかった。

今朝は回診もあるかもしれないし、回診が来るまでにと思って仕方なしにシャワーへ。


タオルドライで頭を動かすだけで、いつもより気持ち悪くしんどい。


やっとのことで髪を乾かして道具を片付けぐったりと横になっていたが、堪えきれず嘔吐。


ダメだった。


サムチレールの黄色い嘔吐物だった。

胃がヒリヒリし、動悸もあり何もすることができず11時くらいまでウトウトする。


昼間に寝たら夜眠れず苦しむからダメなのに。


何も口に入れたくなかったけど、やっとのことでタケキャブを内服する。


そんな体調の中、今度は造影CTに呼ばれる。

待ってる最中に吐き気と腰痛がひどくなったが、なんとか吐き戻さず無事に終わる。

CT造影は、造影剤注入後3秒くらいで全身があったまるので面白い検査である。

全身への血液の巡りの速さを、こんなふうに感じることができる。



昼食はまだ胃がヒリヒリして6割程度しか食べられなかったのに、看護師さんもリハの先生もそんなに食べられてすごいね、と褒めてくれて驚いてしまう。

この歳になると、褒められることなど滅多にない。


何でも出来て当たり前だから。


それが、食事をしただけで褒められるなんて。

すごいね、がんばったね。


褒められ慣れていない私は、照れくさくて、なんて返したらいいのかわからない。

どんな顔をしたらいいのかわからない。


でも、そのひとことで、ふんわりとあたたかい気持ちになる。


午後のリハビリは車のシートのようなマシンに乗って10分こぐ、という運動をした。

HRは90台で、体感としても辛くなく達成できた。

それにしても…

リハ室への往復が大変。

サチュレーションモニターをつけて、酸素飽和度と脈拍をみながら歩行器でゆっくり歩いていく。

それでも息が上がってしまう。

いつか、歩行器を手放して歩けるようになるのかな。

そんな未来が来るんだろうか。


リハビリが終わって帰室してから、病棟内を歩行器で歩いて自主トレする。

歩けなさすぎて不安になる。

だから、自分でできることは少しでもやらなきゃ。

腰痛が軽減すれば、もう少し動きやすくなる気がする。


夕方、神経内科の先生がいらした。

MRIのシグナルの影響で血管が狭く見えていたこと、今日のCTの結果、問題ないことのことだった。


これで頭の血管の懸案は消えて安心した。



そして便秘。

相変わらずの便秘だが、ラキソベロンはお休み。

今は胃のヒリヒリが辛い。

胃がヒリヒリするといっても、TAFRO症候群で入院した初期の苦しみに比べたら大したことはない。



あまり神経質にならず、がんばろう。