個人的に好みな双4極管 6360 を2ユニットパラレル接続したパワーアンプの製作。

以前にも同球を使用したアンプを作成しているが、今回もまた作ってみた。

この 6360 はミニチュア管(MT管)であるが、外形がユニークで、ガラス管の一部が少し凹んだ形をしている→図-1

 

<図-1 TELEFUNKEN製 6360>

 

ところが今回使用の日立製は悲しいことに、一般的な外形となっている→図-2

 

<図-2 日立製 6360>

 

組み込むシャーシは、三栄無線の SA-500 の残骸を使用する。

このアンプは 6BQ5 シングルのステレオパワーアンプで、1次インピーダンス 5kΩ の出力トランスと、250V 90mA 全波整流用の電源トランスが付いている。

250V を全波整流すると DC で 300V 強となるが、これで 5kΩ 負荷の動作は厳しい。

第2グリッド電圧 Vg2=150V でのプレート特性がメーカーのデータシートに有ったので、これを使ってロードラインを引いてみる。

 

<図-3 ロードライン>

 

 

負荷抵抗 Rl=5kΩ、プレート電圧 Vp=250V、第2グリッド電圧 Vg2=150V、プレート電流 Ip=45mA で、 Ip=0mA まで振れるとすると 6W ほどの出力が期待できる。

但しIp=0mA 付近は相当歪んでしまうので、その8割程度の出力となると思われる。

この条件で第1グリッド電圧 Vg1=12V で、カソード抵抗は 270Ω 程度となるが、この定数が手持ちに無かったので 330Ω の抵抗を使う。これで Ip=43mA くらいになる。

 

なお、前述の様に、250V 90mA を全波整流すると 300V を超えてしまい、条件に合わなくなってしまう。

そこでダイオードの後のコンデンサを除いて電圧を下げる事とした。

所謂チョークインプットの様な構成にした。

整流後 100Ω の抵抗を直に入れ→150μF の電解コンデンサ→100Ω→47μF→100Ω→150μF として、270~280V を得ている。

なお、ダイオード直後に小容量のコンデンサを入れているが、以前チョークインプット回路でアンプを作った時にノイズに悩まされ小容量のコンデンサで対策した事があって、おまじないで 0.1μF のフィルムコンデンサを入れている。

 

初段は 12AX7 を使用し、一般的な定数とした。

最終的な回路は 図-5 を参照願。

 

<図-4 回路図>

 

初段カソード抵抗 Rk=1kΩ に 12kΩ の抵抗を付けて約 14dB の帰還となっており、トータルゲインは 20dB 強となった。

+B の平滑回路を結構厳重にした甲斐があって、ハムノイズは小さい。

ノイズレベルは Lch 0.22mV、Rch 0.15mV で、殆どホワイトノイズである。

10% ひずみ時出力は 4.5W ほど、クリップを無視してボリュームを上げると 9W くらいとなる。(実効値表示の測定器では無いので参考程度)

電源トランスの容量がもう少し大きければ、もっと大きな出力が期待できる。

なお、周波数特性で 100kHz 付近に盛り上がりが有り -1dB で 130kHz とかになっているが、位相補正はしていない。

 

<図-5 性能の一部>

 

アンプの外観と内部配線は、図-6~図-8。

 

<図-6 外観>

<図-7 ケースを外した外観>

<図-8 内部配線>

(パネル面のヘッドフォン端子は未配線)

以上。