amber gambler
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空の高さは都会でこそ分かるものなのかもしれない。下から見上げるビルという遠近感があるから。
週間新潮に漫画家が連載しているコラムを読んだ。私はものを本質的にとらえることしかできない、と書いてある。それに比べ世の人は現象しかとらえられない、という。直観的に、この人は池田晶子さんのファンで、思わずその哲人ぶりが移ってしまったんじゃないかと思ってしまった。
ー大体漫画を書く人が現象を扱わないとしたらどんな漫画になるか知りたいところである。そもそも「世の人」と抽象化できてしまうところが、怪しい。貴方がそう考えるのなら何故その考えをもつ人間が多数でないと言い切ることができるのか。自分が今までに出会った数少ない人間を外から眺めて帰納的にそう思ったのか、あるいはテレビや新聞などから流れる情報(それこそ現象というものだろう)に世間とはなにかを結論づける有力な手がかりでも得たというのか。かくいう私もこういう考えについつい剥きになってしまう。
というのも、こういう考えをもつ人が増えすぎると面白くないからだ。
やはり主観でしかものを捉えることができないからこそ、無機質な対象に意味を生じさせることができるからこそ、嬉しくもあり悲しくもあるというのだろう。

 ヴィム・ヴェンダースとサム・シェパードが「パリ・テキサス」撮影後20年ぶりにタッグを組んだ作品といえば、多少なりとも映画に興味のある人であれば見たい、と思うことだろう。


アメリカ、家族のいる風景2

 かつては西部劇のスターであり、今は落ちぶれた俳優Howardが、映画の撮影中に突然仕事を放棄し、母親の元に戻って、自分の子供がいることを知り、自分の血縁やかつて愛した人を通し自分の生きている意味を改めて探そうとする物語。


 映画の主人公、Howardというヤツは、どこまでも自分の成した事に責任の取れない、現実に向き合うことのできない臆病者=Cowardで子供な男だ。いつも、自分の行動が他人にどのような影響を及ぼしたのか、というところまで頭が働かず、自分の置かれた状況にうろたえ、苦悩するだけだ。そして、ドラッグ・セックス・酒と文字通り退廃の生活をおくっている。そんな彼が、ある日自分の若かりし頃の過ちゆえに子供がいることを知って愕然とする。


 ヴィム・ヴェンダースはこのような、一見子供にしかとれないと思われるような行動をする男を主人公にすることが度々あるようだ。現実的にこのような男がいたとしたら、社会的責任を思えば無垢だとか天真爛漫だとか言っていられる場合ではないのだが、この映画ではそのような男の、まるで野生動物のような存在は人の孤独を思わせ、また男の「俺どうすることもできないんだよね」がキーとなって物語を展開させ、周りの女性たちを惹きたてるように作用する。この映画に登場する女性は、そんな子供な男を自由にさせておきながら、忍耐強く、思慮深く、理想的な女性像と思われる。(正直、観ている方は男にも女にも共感しづらい。)


 監督はこの映画を最後に、当初の予定より随分長居してしまったというアメリカから8年ぶりに故郷ドイツへ帰るそうである。インタビューで、アメリカは美しい国なんだ、そのアメリカでの自らの滞在を締めくくる映画として、アメリカを良く撮っておきたい、というようなことをおっしゃっていたように思う。

 監督の言葉どおり、どのシーンをとっても絵画のように美しかった。テラコッタの赤土色と目の覚めるようなブルーがこの映画の基調のカラーとなっており、それは、アメリカの西部の大地と空だけでなく、モンタナのビュートの街の景色から登場人物の服の色にまで及んでいる。色の配置が細かく計算されているせいで、なぜ赤なんだろう・・・青なんだろう・・・という思いに囚われてしまった。

 Howardが息子のアールの家の前で、アールが荒れて二階の窓から放り投げた荷物のソファに座って呆然としているシーンがある。Howardの赤茶色のシャツと青空が映った後、カメラは空に向けられる。そこに掲げられた星条旗ーー

なるほど、と思った。この映画の赤と青は星条旗、つまりアメリカを表しているんだ、と。。


 自らの行動に責任をとれず、身勝手で、家庭は機能せず、子供は問題を抱え込んでおり、往来に陣取っているのに誰も尋ねてくる事の無い孤独な男。

ーこれはアメリカの象徴?

 そして、合理的に事務的に物事を進め、人との関わりという予測不可能性の高い事柄に関わらないようにしようとするサター。

ーこれもアメリカの象徴??

そう思うと、登場人物の名前も何かの象徴である気がしてきた・・・HowardはCoward、DoreenはDoream、その子供EarlはEarthとSky... Sutterは?

 役者陣もこの上なく素晴らしかった。サム・シェパード、ジェシカ・ラング夫婦の共演も、Howardの母親役も、「死ぬまでにしたい10のこと」のサラ・ポーリーも、個人的に好きなティム・ロスも本当に素晴らしかった。


いくつか好きな言葉があった。が、残念。あまり覚えていない。

「映画のほうが現実より好き。5分後には現実に戻らなくちゃいけないんだけど。」というところは好きだったな~


アメリカ、家族のいる風景

http://www.dontcomeknocking.com/

http://www.klockworx.com/america/

ヴィム&ドナータ ヴェンダース写真展
「記憶の旅人」- ONOMICHI ENO TABI-(仮)

期間:2006年4月29日(土)~5月7日(日)
場所:表参道ヒルズ 地下3階 「O(オー)」

今日が昨日よりも悲しくならないように、とおもい一日を過ごす。

ただ、それだけ。


私に与えられた一日は、特別なことの無いここにある時間の連なりだ。

あるいは終点の見えない電車の車窓から見える名も知らない通過駅か

人の生き死にの感慨なんて、一個人の人生を思えば関係ないのかもしれない。

正直な人が好きだ。
自分を律する価値が心根の奥の奥まで行き届いている人がいい。

嘘をついて生きるには、人生はあまりに時間が足りない。

この世にもし神がいるのなら、どうかつまらない嘘を無くしてくれないか
悲しみとは、本当の悲しみにうちひしがれていない人間だけがもつ事のできる意識である。
悲しみに限らず世の中のあまたの感情は、それがその頂点に達しないこと、欠如していることから生じる感慨である。己の欠如することを埋めようとして意識が、言葉が生じる。
しかうして、貴方が何かを感じるという事は貴方の限界であり、つまりは可能性なのである。

自分のページをもつのは初めてなので何から書いていこうか迷いつつ。

不定期更新、いつまで続くか不明。


とりあえず日々の呟きを綴ってみる。