Kindle Unlimitedで「漁夫とその魂」を読みました。

BOOKS桜鈴堂で単話で売られているもの。前に見た時はUnlimitedのラインナップになくて、100円だった気がするんだけどいつの間にかunlimitedになっていた模様。


実はこれは前にも新潮文庫の「幸福な王子 ワイルド童話全集」で読んだことがあるんですよね。そっちだと確か魂の一人称は"わたし"だったので、なんとなく性別のないイメージで読んでいたんだけど、このバージョンは一人称が"ぼく"で言葉遣いもちょっと砕けた感じなので少年っぽくて、また違った印象で良かったです。


人魚が出てくる童話だけど人魚は話の主題とはあんまり関係なくて、なおかつ主人公の漁師は人魚を愛していると言いながら、魂が語る素敵な踊り子の話を聞いて、人魚には足がないからそれを見たいと魂について行ってしまう。それが永遠の別れになるとも知らずに。

なんで迂闊でアホなんだろうと思うけど、その迂闊さと後悔するさまが人間らしさだとも思う。

そのあとでただ愛を叫んでいたとしても白々しいけど、最後に魂を思いやって受け入れるセリフがあることで魂も読者も救われるし、漁師が許される感覚にもなる。


文庫版で初めて読んだ時、最後のくだりで泣いてしまったんだけど、こちらも最後まで読むとやっぱり泣いてしまった。

海の生き物たちを蔑み、呪われていると言い切る神父が、漁師と人魚の亡骸が埋められている場所から美しい白い花が咲いているのを知って、海の生きものたちを祝福する。

その描写が何故か泣けてしょうがなくて。


でも花が咲いたのは一度きりで、二度と花が咲くことも人魚が入り江に来ることもなかったっていう人間への憐憫のない終わり方も好き。

人間に期待しないゆえに偽善を信じない、オスカー・ワイルドの考え方がよく表れているところだと思う。

2ヶ月99円のキャンペーンでKindle Unlimitedに登録中。

このサービスが始まった当初同じようなキャンペーンで登録した時は、読みたい本が全然無くてがっかりしたけど、最近は充実してきてるのかな?

ジャンルにもよるんだろうけど、レシピ本、海外旅行関係、BLが充実してるので個人的には結構お得な気がする。

おすすめは眺めてるだけでもうっとりする、ときめく図鑑シリーズと、BOOKS桜鈴堂の本。


BOOKS桜鈴堂は英米の古典文学を出版してるレーベルだそうだけどラインナップが私の好みに合ってて、こういう紙の本では手に入れづらい古典がもっと電子書籍で充実して欲しいなと思う。

特にKindle Unlimitedという定額の読み放題サービスなら読むハードルが低くて、パッと読めるから、YouTubeで普段興味ないジャンルだけどおすすめに出てきたからパッと聴いてみるみたいな感覚で昔の文学に触れる人が増えるといいなーと。


つくづく今の時代は芸術を楽しむって意味では恵まれた時代だなと思う。

私が1番本の虫だった10代の頃は、読みたい本が近くの書店にも図書館にも無かったら(当然ネット通販もない)諦めざるを得なくて、どれだけ読みたくても読めなかった本がたくさんあるもん。

駅前に巨大書店が出来て、10年越しに読みたかった本(エルンストの慈善週間または七大元素)を書棚で見つけた時なんて嬉しくて声を上げそうになったし。

今になってそうして諦めた本の多くは割と容易く読めるようになったけど、当時の本への情熱が無くなってて。もういいや、ってわけでもないけど後回しになってるのを感じて悲しくなったり…。


とはいえ今でもたまたまアンソロジーで読んだ作者の作品をもっと読みたいと思ったら、それ以外翻訳されてなくて歯痒い思いをしたり、絶版になってる本がとんでもないプレミア価格で手が出ないから結局読めないとか、不便な面もあるけども。


Kindle Unlimitedといえば、以前は一度に借りる(端末に入れておける)本の数が10冊だったのが20冊に変わってるんですね。

目についたのを忘れないように片っ端からダウンロードしてると10冊じゃ少なく感じてたので、これは嬉しい。

タイトルや表紙に興味を持ったらすぐパラパラ読めたり、借りる冊数の制限があったり、あと漫画やラノベが少ないところも?なんとなく図書館みたいで、図書館好きには馴染みやすいサービスなのかも。

洋画、洋ドラ見るのが好きなので大体常に何かの動画配信サービス入ってるんですが、一通り入ってそれぞれの特色がわかると、私にとってどれも一長一短な感じ。
Huluは名探偵モンクの吹き替え版があることしかいいところがないし、Netflixはオリジナルコンテンツのドラマ、映画ばかり力入れてて普通の映画の本数が少ない。
他にも配信サービス色々あるけどどれも共通してるのは日本オリジナルのコンテンツに全く魅力を感じないこと。
日本の芸能事務所優先のドラマが嫌で海外のもの見てるのに、結局日本版となると同じことするんだなーってのに幻滅してしまう。

それで今のところ私に一番合ってるのはU-NEXTかなと。普通の映画の本数は多分一番多い?。古い映画、B級映画が揃ってるのが私にとってはピッタリ。


ここからが本題で、U-NEXTでツインピークスを見てます。

デヴィッド・リンチ、一番好きな映画監督で、映画はほぼ全部観てるけどツインピークスは見たことがなくて。

ドラマだから長いしなーと敬遠してたのと、見れるサブスクが少なかったせい?
Huluが出来たばかりの頃あった気がするんだけど、いつでも見れると思って後回しにしてたらいつの間にか無くなってた記憶が。
でもドラマ見たことないのに映画版の「ローラ・パーマー最期の7日間」は深夜にテレビでやってたのを見たことがあって、むしろリンチを知る入り口だった気もするというむちゃくちゃな順番。

で、やっと見てるんだけど、このなんかちょっとズレててなんとも言えない可笑しみがあるところがあー好きだー………って胸がいっぱいになる。

今のドラマに比べて展開がゆっくりだけど、そのゆったりしたテンポというか、余白のおかげで自分がツインピークスの村の住人になったような気分になれるのがこのドラマの魅力かなと思う。