フィッシュ・スカルの再来・9
フィッシュ・スカルの組み立ては、出来合いのプラモデルとちょっと似ているところはある。でも人工の造形ブツであるプラモデルは、各部の部品がぴったりと組めるようにできてるから、完成させるのに難しいことはない。
プラモデルのスピノサウルス骨格
しかしながら、天然ものスカルでは多くの部品が、きちんとぴったり組むことが不可能である。たとえば関節のように動く部分の接合隙間には、骨と骨の間に軟骨というものがある。骨を剖出して脂抜きを処理すると、その軟骨は消滅してしまう。軟骨は、油脂のかたまりみたいなもんなので、残しておくと酸化して黄ばみもスゴいしね。関節部の両側の骨を、どんな位置で、どんな角度で接着したら良いのかのマニュアルは、天然スカルには添付されてな~い(笑)。
天然ものスカルの組み立ては、試行錯誤の繰り返しという経験値も必要である。でも、プラモデル組み立てよりも、ずっと面白いよ。
【短編の終了】