谷崎潤一郎の物語に登場する
女性たちが着ていた着物の実物と
物語の挿絵を中心に
谷崎文学の世界観を堪能できます
会場には
谷崎の奥さん等
着物をまとった女性のモノクロ写真の横に
実物の着物が展示してあって
その緻密で大胆な極彩色に感動いたします
デザインも素晴らしい
こんな美しく華やかな格好して
(「細雪」の有名な花見の場面にもなった)
桜の下をそぞろ歩いていたら
そりゃあ絵になる
みんな振り返るだろう
明治大正昭和初期のカルチャーに
興味のある方は是非!
そうは言いつつ私は
谷崎さんの小説は3,4つしか知りません
10代の頃にも読んだけど
好きになったのは大人になってから
彼が若い頃に神経衰弱だった時期があり
生涯パニック障害をもっていたと知ってからです
私も同じことになってしまったときに
それでもあんな素晴らしい作品を書き
充実した人生を送れるんだと
大いに励まされました
あともうひとつ好きな理由があって
彼が自分の倒錯的な性癖(闇の部分)を
おおっぴらにしてる(してるよね?)
自己肯定的なところも
同じ倒錯的な性癖をもってそうな
川端康成の小説を
重くて読む気にならないのに比べて
※嫌いではないが
谷崎さんの闇は
どこかユーモラスで重くないから読める
彼が神経症をもちながらも
自己肯定的でユーモアがあって
「闇があるのに重くない生き方」
ここに私は一番
共感や励みを感じたんだと思う
軽やかさって
自分への罪悪感のなさの表れなんだなって
今ならそう受け取ります
そもそもそんなに
谷崎潤一郎の小説を読みこんでないのに
好き勝手に語ってる
軽いでしょうか(笑)