自己存在の月17日・KIN209赤い磁気の月


昨日の続きです。



伊豆稲取温泉までは東京から車で約3時間。伊豆半島には高速道路がないから、距離の割には時間がかかります。

海沿いの稲取温泉から山の方に上がること20分ほどのところに、お目当ての細野高原があります。


稲取温泉からの行き方が分からなくて交番に入ったのですが、地元のおまわりさんも「どこそれ?」と言うほどの無名の場所らしい。


実際、そこには駐車場もなければお店なんて当然ない。車を止められそうな平らな空き地に適当に車を止めて、一応パラグライダーとハイキングの人用に簡易トイレは数箇所ありましたが、それ以外は建物らしきものなんてなんにもなかったです。

ここが観光地じゃないことは一目瞭然です。


唯一、パラグライダーができる場所として知られているようですが、パラグライダーなんて世の中のほとんどの人はやらないわけですし(笑)、あとは春の山菜取りとハイキングができるくらいで、高原というよりも単なるだだっ広い野原と言った方が近いのかもしれません。


そんな細野高原が近年、ススキの名所として注目を集めつつあるとのことです。


青空ボトル


まるでススキの海。

風が強くて、波のようにススキがうねり続けていました。



去年の今頃、週刊ポストか現代か新潮か文春か・・・とにかくその辺の、おじさん向け週刊誌のグラビアページでここの写真を見たのが最初に知ったきっかけでした。


私は秋が好き。秋を感じさせるものが好きです。

更に私は「原っぱ」がこの上なく好きなのです。

風の吹くなだらかな丘の上に丈の低い草が見渡す限り生えている様がたまらなく好きで好きで。


だからグラビアで見たススキ野原の写真は私の「ツボ」でした。


それ以来「いつかいくぞ。来年の秋になったら絶対行くぞ」と、心に決め1年待ったのです。

そしてようやく夢が叶いました。



青空ボトル

秋の色に染まります。


青空ボトル


あえてモノクロで。


どうすれば上手く伝えられるのか分からないけど、ここの風景は私にとってはノスタルジックです。


地べたに座ると、私を囲むススキは私より背が高い。

そうしてずっと空を眺めていました。

空が高くて高くて。

でも小さい頃はいつもこんな目線で空を眺めていたな。


青空ボトル


遠くにはパラグライダーが音もなく漂ってました。

聞こえるのは鳥と風の声だけ。


青空ボトル


これが細野高原の駐車場?です。



とにかくどこでもペタっと地べたに座ってた。


ススキと空と土と風があまりにも懐かしくて。


ホントは一体化したかった。